音も水跡も出ない“見えない漏水”はどうやって見つけるのか?
― 厚さ20cmのコンクリート+粘土層40cmでも特定できた実例 ―
第2回|千葉市若葉区 ➤ 第3回|市川市 ➤ 第4回|酒々井町
🔶 この記事の要点
- 厚さ20cmのコンクリート下、さらに粘土層40cmで音が外部へ伝わらない現場条件。
- 音聴では無反応だったため、トレーサーガス調査を併用したハイブリッド手法で2箇所を特定。
- 漏水箇所は「浴槽給水管の継手部の微細漏水」「2階給水用ゲートバルブ本体の滲み」。
- 修理は継手交換と周辺配管のHIVP化、不要バルブ撤去、川砂・砕石・コンクリートで原状復旧。
- 修理後の耐圧試験で止水を確認。無駄な破壊を最小限に抑えつつ短期間で解決。
🔶 はじめに
水道検針で「使用量が増えている」と指摘されたのに、音も水跡もない——。
今回の千葉県市川市の戸建住宅では、建物外周がほぼ全面コンクリートに覆われ、地下は粘土質。漏水音が減衰しやすい条件が重なっていました。従来の“順に壊して掘る”方法は現実的ではありません。
本記事では、トレーサーガス調査と路面音聴調査のハイブリッド手法で「音がしない微細漏水」を特定・修理した実例を、現場の流れに沿って解説します。
🔶 もくじ
はじめに
- 第1章|現場の概要
- 第2章|なぜ“音も水跡も出ない”のか
- 第3章|調査の流れ(ハイブリッドで特定)
- 第4章|漏水箇所の特定と修理内容
- 第5章|結果と考察
- 第6章|放置した場合のコストと二次影響
- 第7章|他の調査手法との短評
- 第8章|総評
- 第9章|さいごに(ご相談の目安)
🟩 第1章|現場の概要
🟦 ① 基本情報
- エリア:千葉県市川市
- 物件:戸建住宅(屋外はコンクリート仕上げ)
- 水源:水道水(メーター口径20mm)
- 表層:コンクリート厚さ 約20cm
- 地下:粘土層 約40cm
- 指摘:検針員より漏水疑い、水道料金が通常月より増加、メーターのパイロットは停止せず
👉 今回の現場は、千葉県市川市にある戸建住宅です。
屋外がすべてコンクリート仕上げとなっており、地中には厚い粘土層が存在するため、漏水音や水跡が地表に現れにくい構造となっていました。
🟦 ② 調査・工事の依頼内容
本件は、水道検針員から「漏水の疑いがある」と指摘を受けたことをきっかけに、漏水調査と修理の両方を同時にご依頼いただいたケースです。建物外周が全面コンクリートで覆われており、漏水箇所を確認するには一部のコンクリート切断・はつり作業を伴う必要がありました。そのため、調査から修理・復旧までを一連の工程として計画しています。
依頼内容
・漏水調査および修理
・コンクリート切断・はつりを伴う部分施工
🟩 第2章|なぜ“音も水跡も出ない”のか(技術的背景)
コンクリートの厚み、地中の土質、そして漏れの位置や流量が重なると、漏水は“見えない・聞こえない”状態になりやすくなります。特に本件のようにコンクリート20cm+粘土層40cmという条件では、配管内の振動や水流音が地表に届く前に大きく減衰します。加えて、漏水量が少ないほど水流は乱れず、音源そのものが小さいため、音聴器でも反応しづらくなります。
外観上の水たまりや湿りが現れなくても、内部では確実に水が失われ続けています。この“見えない進行”こそが、発見の遅れと水道料金・設備負担の増加を招く原因となります。さらに、漏れが継手内部や配管の下側で発生している場合、水は重力で下方に回り込み、上面からの目視や触診では痕跡を捉えにくくなります。
粘土層は水や気体の通り道を制限するため、路面側でのサイン(音・ガス・湿り)をさらに弱めます。そのため、音聴調査だけに頼らず、トレーサーガスなどの非破壊手法を組み合わせることが、精度と効率を両立するための重要な手段となります。
- 微量漏水:毎分100〜300mLクラスは水流が乱れにくく、音が発生しづらい。そのまま24時間流れ続ければ、1か月で約4〜13m³、数千円〜1万円超の水道料金増につながります。
👉 例として200mL/分でも、1日で約288L、1か月で約8,640Lに達します。量は小さく見えても、連続的に失われるため、料金やポンプ負荷への影響は無視できません。
- 粘土層の遮断効果:振動・音が土中で減衰しやすく、地表に伝わらない。
粘土は粒子が細かく密実で、音の伝播とガスの透過がともに弱まります。結果として、路面音聴やガス検知の反応が“薄く・散る”ため、単独手法では特定が難しくなります。
👉 特に厚さ30〜40cmを超える粘土層では、地表での音聴検出が極めて困難になります。
- コンクリート厚:20cmの剛構造が路面音の拾いにくさを助長。
剛性と質量が大きいほど振動は遮断・散逸しやすく、マイクが拾う高周波成分は特に減衰します。交通騒音など環境ノイズがある場合、微小な信号はさらに埋もれてしまいます。
👉 20cmもの厚さがあると、表面での振動感知はほぼ不可能で、配管が深部に埋まっているほど漏水音は完全に遮断されます。
- 漏れ位置:継手内部や管の下側は目視痕跡が乏しく、外観での検出は困難。
継手の微細な亀裂やシール劣化は内部で静かに滲むため、上面からの確認では痕跡がほとんど現れません。地表へ到達する前に土中で吸収・拡散され、“乾いたまま”に見えるケースが典型です。
👉 継手やエルボなどの接続部で発生した滲みは外観に現れにくく、水は管の外壁を伝って下方向へ流れ、地表を濡らすことなく消えていきます。
🟩 第3章|調査の流れ(ハイブリッドで特定)
今回の現場では、コンクリート下+粘土層+音の出ない漏水という複合条件が重なっており、
単一の調査法では決定打を得られませんでした。そのため、屋内外の音聴調査で基礎情報を集めたうえで、最終的にはトレーサーガスと路面音聴を組み合わせたハイブリッド手法で漏水位置を特定しています。
以下は、実際の調査手順と結果の概要です。
🟦 ① 屋内調査(音聴・機器点検)
まずは家屋内での異常有無を確認します。
水まわり設備や屋内配管に原因がある場合、外周を掘削しても成果が得られないため、最初に屋内側での止水不良や漏水音の有無を丁寧に確認することが重要です。
🔷 調査内容
- 1階・2階の各水栓、トイレ、洗面、浴室、洗濯機水栓、給湯器を順に点検。
- 音聴棒および小型音聴器を使用し、金属配管やバルブ部に伝わる漏水音を確認。
🔷 調査結果
- 明確な反応は得られず。屋内機器や内部給水管に異常音は確認されませんでした。
- この時点で、漏水は屋外配管側にある可能性が高いと判断しました。
🟦 ② 屋外調査(路面音聴)
次に、屋外の配管系統を対象に調査を行います。
建物外周の埋設給水・給湯管は、目視では確認できないため、路面音聴器を使って地中の振動・音圧を聴取します。
🔷 調査内容
- コンクリート舗装上から路面音聴器を使用し、外周全域を順に確認。
- 特に給湯器まわりや水栓柱付近など、音の伝わりやすい箇所を中心に詳細に点検しました。
🔷 調査結果
- コンクリートの厚み(約20cm)と粘土層(約40cm)の影響で、振動がほとんど地表に届かず、検音は非常に困難でした。
- 地層が音を吸収するため、漏水特有の「シュー音」や「気泡音」は確認できませんでした。
🟦 ③ トレーサーガス調査(単独)
音が出ない環境では、ガスを利用した非破壊調査が有効です。トレーサーガス(検査専用の安全ガス)を給水・給湯管内に注入し、地表側のガス濃度を測定することで漏水箇所を推定します。
🔷 調査内容
- 配管を閉止し、圧力を調整しながらトレーサーガスを注入。
- 地表の継ぎ目・バルブ部・舗装クラックなどからのガス漏出を検知器で確認。
🔷 調査結果
- 地層条件によりガスの上昇が妨げられ、決定的な反応は得られず。
- 粘土層の密閉性により、ガスは地中に滞留し、地表検知が難しい状況でした。
- 単独調査では漏れの範囲を絞り込むにとどまりました。
🟦 ④ ハイブリッド手法(ガス+路面音聴)
最終段階では、ガス注入と音聴を同時に行うハイブリッド調査を実施しました。
トレーサーガスをやや高めの圧力で注入し、漏出時に生じる微小な「ガス音」を路面音聴器で聴き取ることで、音が出ない漏水を“ガス音”として可視化します。
🔷 調査内容
- 圧力条件を微調整しながら、音聴器を使ってガスの漏出音を聴取。
- 屋外配管全域を再スキャンし、音とガス反応の両方を比較。
🔷 調査結果:
- 浴槽給水管の継手部と、2階給水用ゲートバルブ本体からの反応を確認。
- 両箇所で音圧反応とガス濃度が一致し、確定漏水と判定しました。
- 切断・掘削は最小限で済み、構造物を破壊することなく両箇所を特定できました。
🟦 まとめ
音が出にくい構造条件でも、段階的な調査と複合手法の切り替えにより、精度を落とさずに漏水位置を特定することが可能です。
今回のような難条件下では、単一の音聴・ガス調査に頼るのではなく、現場の構造や地質に応じて「組み合わせる」ことが最も効果的です。
🟧 関連解説
調査で使用する音聴機器やトレーサーガス検知器の特徴、そして両者を組み合わせたハイブリッド調査の流れを紹介しています。
・音聴機器の仕組みと使い方
・トレーサーガス機器の仕組みと使い方
・ハイブリッド調査(ガス+音聴併用)の実施例
🟩 第4章|漏水箇所の特定と修理内容
調査の結果、音聴単独では検出が難しかった2箇所の微細漏水を、ハイブリッド手法(トレーサーガス+路面音聴)により正確に特定しました。いずれも目視・聴取では反応が乏しく、従来調査では発見が困難なケースです。
以下では、それぞれの漏水箇所と修理内容をまとめます。
🟦 ① 浴槽給水管の継手部(微細漏水)
浴槽へ向かう給水管の継手内部で、肉眼では見えない微細亀裂が発生していました。このような亀裂は流量が非常に少なく、外観や音での判別が極めて困難です。水は管の外側を伝って周囲の土中に滲み込み、地表には一切現れません。
🔷 特徴
- 継手内部の微細亀裂による滲み。音や水跡が出ず、通常の音聴では検出困難。
🔷 修理
- 亀裂破損した継手と周辺の配管を切除・更新。
- 再発防止と耐久性向上を目的に、VP管から**HIVP管(耐衝撃性硬質塩ビ管)**へ変更。
- 継手部を再構成し、接着強度と気密性を確保しました。
🔷 目的・効果
- 耐衝撃性・耐圧性を高め、再発のリスクを大幅に低減。
- 微細な衝撃や温度変化にも強く、長期的な安定運転が可能になりました。
🟦 ② 2階給水配管用ゲートバルブ本体(滲み)
もう一箇所は、2階系統への分岐部に設けられたゲートバルブ本体からの微小な滲みです。バルブ内部のパッキン劣化が原因で、使用頻度が低い系統では特に発見が遅れやすい事例です。地表でのガス反応や音反応が弱いため、単独調査では見落としやすく、ハイブリッド検出が有効でした。
🔷 特徴
- 本体内部からの微小な滲みで、地表反応がほとんど出ない。
- トレーサーガスと音聴を併用したことで検出に成功。
🔷 修理内容
- 劣化したバルブを撤去し、配管を直結構造に変更。
- 不要なバルブを取り除くことで、将来のトラブル要因を解消しました。
🔷 目的・効果
- 構造を簡素化し、部品劣化による再漏水リスクを根本から排除。
- 給水ラインの通水抵抗も低減し、安定した水圧を維持。
🟦 ③ 復旧工事と完了確認
修理後は、漏水再発防止と地盤安定性を考慮して慎重に復旧を行いました。埋戻し材や施工方法を誤ると再び沈下や管応力を招くため、排水性・作業性・耐久性のバランスを重視しています。
🔷 埋設土の復旧
- 既設の粘土土を撤去し、川砂で埋め戻し。
- 排水性を確保しつつ、後々の修理や点検作業がしやすい環境に整えました。
🔷 路盤・表層の復旧
- 砕石で路盤を整地し、表層はコンクリートを打設して原状に復旧。
- 施工部は周囲との高さ・色調を合わせ、外観上の違和感を抑えています。
🔷 完了検査
- 修理後に耐圧試験を実施し、止水状態を確認。
- 一定圧力を保持した状態で圧力降下がないことを確認し、全工程を完了しました。
🟦 まとめ
今回の2箇所はいずれも、**音が出ず・跡も残らない“静かな漏水”**でしたが、ハイブリッド調査によって的確に特定し、最小限の掘削で修理を完了できました。結果、構造的な弱点を残さず、配管系統の信頼性を高めた事例です。
🟩 第5章|結果と考察
今回の現場はコンクリート20cm+粘土層40cmという、音や振動が外へ出にくい条件でした。それでも、調査手順を段階的に進め、最終局面でトレーサーガスと路面音聴を同時運用することで、目視や音では捉えにくい微細漏水を確実に位置づけ、最小限の施工で修理へつなげています。修理後は耐圧試験とメーター挙動をもって止水を確認し、再発要因を構造面から減らしました。
🟦 ① 厚コンクリート+粘土層でも、ガス×音聴の併用で微細漏水を特定。
コンクリートの質量と粘土層の密実性で音が減りやすい環境でしたが、ガスの漏出時に生じる微小な音を路面側で捉える運用に切り替えることで、従来の音聴だけでは難しい微細漏水の反応を把握できました。
🟦 ② 無駄な破壊を抑え、必要範囲だけを施工。
反応が集中した位置に限定して切断・掘削を行い、余計な面積を壊さずに短い工程で修理へ直結。復旧コストや工期の増大を避けつつ、仕上がりの品質も確保しました。
🟦 ③ 継手周辺のHIVP化と不要バルブ撤去で、耐久性と保守性を両立。
継手と周辺配管はVP→HIVP(耐衝撃・耐圧)へ更新し、長期使用時の衝撃・温度変化・水圧変動への耐性を向上。あわせて2階系統の不要バルブを撤去し、将来的な滲みの芽を断つとともに、構造を簡潔にして点検のしやすさを高めました。
🟦 ④ 耐圧試験で完全止水を確認し、メーター挙動も安定。
修理後は所定圧を保持して圧力降下がないことを確認。併せてメーターのパイロットが停止することを確認し、日常運用での安定を裏付けています。
🟦 まとめ
難条件でも、手法を組み合わせる設計と必要最小限の施工で確実に止水できました。配管更新と不要部の解消により、再発リスクの低減と将来の点検容易化という“その後の運用”まで見据えた改善につながっています。
🟩 第6章|放置した場合のコストと二次影響(目安)
わずかな漏れでも、常時流れ続けることで水道料金や設備負担に大きな影響を及ぼします。100mL/分でも1日で144L、1か月では4tを超える水が失われ、水道代だけでなく、ポンプや基礎構造などへの二次的なダメージも避けられません。
以下は、一般的な上下水道単価(500〜800円/m³)を基にしたおおよその目安です。
上下水合算単価 500〜800円/m³ 時の目安
- 100mL/分:月4.32m³(約2,160〜3,456円/月)
- 300mL/分:月12.96m³(約6,480〜10,368円/月)
- 500mL/分:月21.6m³(約10,800〜17,280円/月)
これらの金額は水道料金のみの試算であり、実際にはさらに負担が生じます。温水配管であれば給湯のガス代や電気代が月3,000〜1万円前後上乗せされることもあり、井戸ポンプを併用している場合は、**電気代の増加やモーター摩耗による寿命短縮(修理費数万〜十数万円)**のリスクも伴います。
さらに、地盤内の漏水は周囲の土を軟化させ、基礎の沈下・床下湿気・カビ・木材腐朽など、
建物構造への二次被害につながるおそれもあります。わずかな漏れでも常時続けば、年間数万円規模の損失と設備劣化を同時に進行させる結果となります。
🟦 まとめ
微量でも止まらず流れ続けると、年間数万円規模の損失に直結します。料金・設備・建物のすべてに影響が及ぶため、「音がしない=安心」とは言えません。早期の確認と専門調査が、最小コストで防ぐ最も確実な手段です。
🟩 第7章|他の調査手法との短評
漏水調査では、一つの方法で全ての現場に対応できるわけではありません。配管の深さ・土質・構造条件によって検出のしやすさが変わるため、複数の手法を組み合わせることで精度と効率を高めるのが基本方針です。
以下は主な調査手法の特徴を簡潔にまとめた比較です。
🟦 ① 管体音聴調査:初動の基本。
屋内外の設備から音を拾う最も基本的な方法。ただし、流量が微量・埋設深度が深い・遮音構造が厚い場合には反応が弱く、精度に限界があります。
🟦 ② 路面音聴:舗装面の広域確認に有効。
コンクリートやアスファルト上から地中の漏水音を確認でき、配管経路の全体把握に適した一次的調査です。ただし、厚いコンクリートや粘土層では音が減衰しやすく、反応が鈍る傾向があります。
🟦 ③ トレーサーガス調査:微細・非可視型に強い。
音が出ない、地表に水が現れない漏水に有効で、目に見えない微小漏れを高精度に特定できます。ガス反応を頼りに掘削位置を絞り込むことで、不要な破壊や復旧費用を最小限に抑制できます。
🟦 ④ 水圧試験:区間単位での漏水有無の確認に使用。
配管に圧力をかけて漏れの有無を調べる方法で、どの系統に異常があるかを判断する目安になります。ただし、漏水位置の特定は別の調査工程で行う必要があります。
🟦 結論:現場条件に応じて複数手法を併用するのが最適。
今回のように遮音性が高く、音も水跡も出ない現場では、トレーサーガスと音聴調査を併用したハイブリッド手法が決定打となりました。
🟩 第8章| 総評
今回の現場は、表層コンクリート20cm+地下粘土層40cmという、音が伝わらず水跡も出ない典型的な遮音・吸水条件でした。それでも、トレーサーガス調査と音聴調査を組み合わせる運用設計により、漏水箇所を正確に特定し、最小範囲の施工で確実に止水することができました。
この事例が示す要点は、次の三点に集約されます。
🟦 ① 単独手法に固執しない柔軟な運用設計
現場条件に応じて複数手法を段階的に切り替えることで、環境要因に左右されにくい安定した検知を実現しました。音が出ない・水が現れないような条件下でも、ひとつの方法に依存せず、相互補完的に組み合わせることで確実な特定につなげています。この柔軟さが、非破壊での精度確保に直結しました。
🟦 ② 最小破壊での絞り込みと施工効率の両立
反応箇所を集中的に掘削することで、構造物への影響を抑えつつ、必要最小限の範囲で漏水部を露出しました。無駄な開口を避けることで、復旧費用や作業時間の低減にもつながり、現場負担を最小化できた点が特徴です。
結果として、効率と確実性を両立した施工工程となりました。
🟦 ③ 修理時のHIVP化・不要要素の排除による再発防止
亀裂部を含む配管区間を耐衝撃性HIVP管へ更新し、不要バルブを撤去しました。これにより配管経路が単純化され、圧力損失を抑えるとともに、今後の点検性も向上しています。
“修理して終わり”ではなく、再発防止を見据えた改修設計として実施したものです。
🟦 まとめ
厚い構造体や粘土層といった不利条件下でも、**「単独で行き詰まらない調査運用」と「修理を見据えた施工設計」**があれば、見えない漏水も的確に特定し、構造物を傷めずに止水できることを実証した事例です。また、音が出ない・水が現れない環境下での調査方針立案や、再発防止を見据えた施工計画を立てるうえでも参考となる内容です。
🟩 第9章|さいごに(ご相談の目安)
漏水は、音や水跡といった「目に見えるサイン」がなくても、建物の内部で静かに進行していることがあります。特に今回のようにコンクリート舗装や粘土質地盤が関係する場合、症状が表に出にくく、気づいたときには水道料金や構造への影響が大きくなっていることも少なくありません。水道料金の増加やメーターの動きなど、わずかな異変が早期発見の手掛かりになります。
次のような症状が一つでも見られる場合は、できるだけ早めの点検をご検討ください。
🟦 ① 水道料金が急に増えた
使用量を変えていないのに請求が高くなった場合、見えない漏水が疑われます。家中の蛇口を閉めてもメーターが動くようなら、調査が必要なサインです。
🟦 ② メーターのパイロットが止まらない
すべての蛇口を閉めてもパイロットが回っている場合、屋内外いずれかで水が流れ続けています。目立つ音がなくても、静かな滲み漏れが長期間続くことがあります。
🟦 ③ 音もしないし地面も濡れていないのに、どこか不自然
無音・無跡型の漏水は、コンクリート舗装や粘土質地盤で特に起こりやすい症状です。少しでも違和感を覚えた時点で調査を行うことで、修理範囲や費用を大きく抑えられます。
🟦 ④ コンクリート舗装で掘削に慎重さが必要
構造を壊さずに位置を特定するには、非破壊型の調査が効果的です。トレーサーガス調査や路面音聴調査を組み合わせることで、不要な破壊を防ぎながら短時間で原因を突き止められます。
🟦 まとめ
漏水の兆候は「音」「湿り」「水たまり」だけでは判断できません。ほんのわずかな変化を放置すると、後に建物や設備への影響が広がることもあります。気づいたときの早期点検が、結果的に最小コストでの解決につながります。
当社では、酒々井町を中心に印旛地域(佐倉市・成田市・富里市・八街市・四街道市・印西市・栄町)および周辺地域(千葉市若葉区・芝山町・山武市など)を含む千葉県全域と茨城県全域で、トレーサーガス調査と路面音聴調査を組み合わせた非破壊型の漏水調査を実施しています。また、井戸ポンプ・圧力タンク・砂こし器など周辺機器の点検・修理にも対応。出張費のみで現地相談が可能ですので、まずは現場の状況確認からお気軽にご依頼ください。
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◾ 第4回|千葉県酒々井町事例(準備中:公開予定:2025年11月23日)
トレーサーガス×音聴のハイブリッド調査で、見えない・聴こえない微量漏水を短時間で特定&修理した事例
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漏水の原因の見極め方から、自分で行えるチェック手順までを整理。
調査前に知っておきたい基礎知識と、判断の考え方をまとめています。
◼️ 実務解説記事
実際の施工事例をもとに、“音も水跡も出ない漏水”の見つけ方を解説しています。
現場での判断や機器の使い分けなど、実践的な視点で理解できます。
◾ 第1回|千葉県八千代市|漏水音がしない微量漏水を特定するトレーサーガス調査で特定&修理した事例
◾ 第2回|千葉市若葉区|他社で断られた井戸水漏水|音無し微細漏水5箇所をトレーサーガス調査で特定&修理した事例(築50年以上)
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◼️ 自分で確認できる漏水チェック&対策ガイド
水道代が急に高くなった、ポンプが頻繁に動く――。
そんなとき、自宅でできる簡易チェックや応急対応の方法をまとめています。
専門調査の前に「どこに異常があるのか」を自分で確かめたい方におすすめの内容です。
◾ 戸建て住宅版|自分でできる漏水調査と対策ガイド
◾ 簡易判定版 ①|水道料金が急増?「使い過ぎ」か「漏水」かを自分で見極める方法
◾ 簡易判定版 ②|自分でできる漏水チェック方法10選
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⬛ 漏水調査の施工事例記事
音が出ない漏水や深埋設のケースなど、実例を通して調査から修理までの流れを紹介しています。現場ごとの条件や地盤の違いに応じた調査手法の使い分け、修理までの判断ポイントを具体的に解説しています。
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