🟩 コンクリート+粘土層下の音が出ない漏水|非破壊調査で特定&修理した事例
◾ 千葉県市川市|戸建|水道水
◾ 漏水の数 : 2箇所
◾ コンクリートの厚み 20cm / 粘土層の厚み 40cm
◾ ハイブリット調査(トレーサーガス調査 + 路面音聴調査)
🟩 はじめに
千葉県市川市の戸建住宅において、水道検針員から漏水の指摘を受けたことをきっかけに、漏水調査のご依頼をいただきました。
水を使用していないにもかかわらず水道メーターが回転し続け、水道料金も通常月に比べて急増していたため、原因の特定が急務となる現場です。
さらに、建物外周部が全面コンクリートで覆われており、むやみに破壊して順番に掘り起こす従来型の調査は現実的に行えない状況でした。
本施工事例では、こうした現場状況下で発生した音がほとんど出ない微細漏水を、トレーサーガス調査と路面音聴調査のハイブリッド手法により特定・修理した事例です。
🟩 調査依頼の経緯
施主様は当初、「どこかで水道水を多く使ったのかもしれない」と考え、数か月間様子を見ていました。しかし、水道の使用状況を見直しても水道料金は増加したままでした。
また、水を使用していないにもかかわらず水道メーターのパイロット部が常に回転していることも確認されたため、漏水していると確信され、専門調査の依頼に至りました。
加えて、建物外周部が全面コンクリートで覆われていたため、土であれば順番に掘り起こしながら漏水箇所を特定できるものの、コンクリート下ではむやみに壊して掘削することができず、専門の漏水調査が必要な状況でした。
🟩 工事の概要
▪️ 依頼内容
・漏水調査および修理
➤ 水道検針員よ り、漏水の疑いがあると指摘を受け、数か月間、様子を見たが水道料金が急増したままである。
➤ 水を使用していないのに水道メーターのパイロット部が常に回転している。
▪️ 工事名
① 漏水調査および修理
② コンクリート切断およびハツリ工事
▪️ 水源・設備情報
① 水源 : 水道水
② 水道メーターの大きさ : 口径20mm
▪️ 工事場所
千葉県市川市
🟩 現場状況
今回の現場は、建物外周部がほぼ全面コンクリートで覆われており、外水栓前部を除いて直接の掘削や目視による確認が困難な状況でした。
また、地下には粘土質の埋設土が40cmほど敷かれており、水道管からの微細な漏水音がほとんど外部に伝わらない環境です。
そのため、通常の音聴調査だけでは漏水箇所を特定することが難しい条件でした。
🟩 主要設備
▪️ 台所・浴室・洗面・洗濯機水栓・トイレ
▪️ 給湯器
▪️ 外水栓柱
🟩 調査方法の流れ
1️⃣ 屋内調査
音聴機器を使い、「家屋内の設備機器による止水不良」と露出配管に伝わる周囲配管からの水漏れ音を調査。
◉ 詳 細
▪️1階・2階の各水栓やトイレ、洗面台などを確認し、タンク内や給水管の止水不良の有無を調査。
▪️音聴棒や小型音聴器を使用して、給水管から伝わる漏水音を確認。
◉ 結 果
漏水音の聴き取りはできませんでしたので、屋外調査へ移行。
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2️⃣ 屋外調査
路面調査用音聴器を加えた音聴調査を行います。
主な調査対象は建物外周部に埋設されている給水給湯管と外部に設けられた給湯器の様な設備機器です。
◉ 詳 細
▪️音聴棒を給湯器本体や露出配管に押し当てることで、周囲配管から伝わる音が無いかを調査。
▪️建物外周部に埋設されている配管からの水漏れ音を路面音聴調査器を用いて調査。
◉ 結 果
▪️残念ながら厚いコンクリートと粘土層により、漏水音の検音が出来ず。
▪️トレーサーガス工法に切り替え、漏水箇所の特定へ。
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3️⃣ トレーサーガス調査(単独)
給水管と給湯管内にトレーサーガスを注入し、漏れ出すガス濃度から漏水箇所を特定します。
◉ 結 果
▪️路面調査用音聴器同様、厚いコンクリートと粘土土壌が影響し、特定に値するガス検知ができず。
▪️路面調査用音聴器を同時使用するハイブリットな手法に切り替え、漏水箇所の特定へ。
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4️⃣ ハイブリッド手法(トレーサーガス+路面音聴調査)
圧力を高めたトレーサーガスを注入して漏れ出すガス音を大きくした上で、路面音聴器を用いてその音を聴き取り、漏水箇所を特定する手法
◉ 特 徴
▪️音の出ない微細漏水でも、ガス音により漏水箇所の特定が可能となる。
▪️不用意に構造物を破壊することが無い、漏水箇所の特定が可能となる。
◉ 結 果
▪️浴槽水栓に繋がる給水管の継手部からの微細漏水を特定
▪️2階給水管用ゲートバルブ本体からの滲み出る漏水を特定
🟩 修理状況
1️⃣ 亀裂破損した継手とその周囲の水道管を交換
再発予防として、VP管から耐衝撃性のHIVP管へ管種を変更
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2️⃣ 2階給水配管用ゲートバルブ本体の撤去
将来の再発防ぐ為、施主様のご希望によりゲートバルブを撤去。
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3️⃣ 埋設土を川砂で復旧
既設粘土土壌を廃棄し、川砂を使って埋め戻し復旧。
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4️⃣ 路盤を砕石で復旧、表層はコンクリート打設にて現状復旧
5️⃣ 修理後、耐圧試験で漏水の完全解消を確認
🟩 漏水調査の結果
トレーサーガス調査と路面音聴調査のハイブリッド手法により、厚いコンクリートと粘土質土壌で覆われた現場でも、微細漏水箇所を正確に特定することができました。
漏水箇所は、給水管の亀裂による漏水と、2階給水配管用ゲートバルブ本体からの滲み出る漏水の2箇所です。
どちらも目視では確認できない箇所でしたが、専門機器を用いることで、破壊を最小限に抑えながら効率的に特定・修理が完了しました。
🟩 総 評
本事例では、表層が厚さ20cmのコンクリートで覆われ、下層に厚さ40cmの粘土質土壌が敷かれた現場でも、トレーサーガス調査と路面音聴調査のハイブリッド手法を用いることで、音がほとんど出ない微細漏水を正確に特定できました。
土であれば従来型の掘削調査で順に漏水箇所を探すことが可能ですが、厚いコンクリートと粘土層の下ではむやみに破壊して調査することは困難です。
今回の施工事例は、現場条件が厳しい状況下でも、最小限の破壊で漏水箇所を特定し、迅速かつ確実に修理することができる専門調査の有効性を示すものとなりました。
🟦 ご案内
漏水は放置すると、水道料金や建物の劣化、井戸ポンプの故障など深刻なトラブルを招きます。早めの発見と正確な特定が安心の暮らしを守る鍵です。
当社では**酒々井町を中心に印旛地域(佐倉市・成田市・富里市・八街市・四街道市・印西市・栄町)や周辺地域(千葉市若葉区、芝山町、山武市など)を含む千葉県全域および茨城県全域**で漏水調査・修理を実施。トレーサーガス調査や路面音聴調査などを組み合わせ、目に見えない漏水も迅速に特定しています。
また、井戸ポンプ業務は千葉県全域を対象に、修理・点検・調査、圧力タンクや砂こし器など周辺機器の設置まで幅広く対応しています。ご相談ください。
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竣工日
2025年3月10日
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場所
千葉県市川市
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施工内容
①漏水調査および修理工事②コンクリート切断およびハツリ工事