
狭い屋内配管から床面・路面まで調べられる 小型音聴式探索機のご紹介
◆ はじめに
「水道メーターが止まらない」「壁の中から水の音がする」――。
そんな“見えない漏水”を探す際に活躍するのが、小型音聴式探索機です。
漏水調査の初動段階では、目に見えないわずかな漏れをいかに早く、正確に見つけ出すかが最も重要です。そのため当社では、小型で高性能な「音聴式漏水探索機」を活用しています。
この機器は軽量で取り回しが良く、家具の裏や設備の隙間など、従来の音聴棒では届きにくい箇所にもアプローチできる点が特長です。特に屋内のトイレや洗面台、台所など、止水栓(給湯・給水用)付近の調査に優れており、狭い空間でも確実に音を捉えることができます。
探索棒を配管に押し当てることで、人の耳では聞き取れないほど微細な水漏れ音を検知し、わずかな漏れも見逃しません。こうした初動での正確な発見は、漏水による建物や設備の損傷を防ぎ、修理範囲や費用の軽減にもつながります。
本記事では、この小型音聴式探索機をどのように活用すれば、屋内外の初期段階で効率よく漏水を見つけ出せるのかを、実際の調査手法とともに解説します。
◆ シリーズ案内
本記事は、全4回構成の「使用機器・調査精度向上シリーズ」の第1回です。
初動調査で使用する小型音聴器を紹介し、屋内外の初期確認で活躍するポイントを解説します。
◆ 要 点
・屋内外どちらの漏水調査にも対応できる、多機能型の小型音聴器を紹介
・トイレ・洗面台下・外水栓など、狭い空間や屋内設備まわりでも“耳で探せる”調査精度を実現
・初動調査で漏水を早期に発見し、修理範囲と費用を最小限に抑える方法を解説
◆ 目 次
はじめに
1. 第1章|小型音聴式漏水探索機の特徴と活用法
1-1. 屋内での調査方法と特徴
1-2. 屋外での調査方法と特徴
1-3. 給湯器・外水栓などその他の調査
2. 第2章|小型音聴式漏水探索機の紹介
2-1. 各部位の紹介と構造
2-2. 主要機能と特徴
2-3. 主な調査対象物
2-4. 実際の調査手順
3. 第3章|まとめ
4. 第4章|さいごに
5. 第5章|関連記事
・5-1|次に読むシリーズ記事
・5-2|関連テーマ記事
・5-3|漏水調査の施工事例
🟩 第1章|小型音聴式漏水探索機の特徴と活用法
小型音聴式探索機は、漏水調査の中でも“最初に異常を見つける”段階で欠かせない機器です。水道メーターの動きや音聴棒で反応がなくても、わずかな漏れを探し出せるのがこの機器の強みです。
本機器は、屋内および屋外の漏水調査における初動段階で活躍し、1台で「音聴棒調査」と「路面音聴調査」の両方に対応可能な多機能型の漏水探索機です。これにより、漏水箇所の特定を迅速かつ正確に行うことができ、調査効率と精度の大幅な向上が期待できます。
次節では、この探索機を用いた屋内での調査手法について詳しく解説します。
🟦 1. 屋内調査
屋内で行う漏水調査では、露出している配管や水栓まわりに音聴棒を当て、わずかな異音を丁寧に聴き取り、その伝わり方から漏れの有無を判断します。
水を使っていない状態でも、微細な漏れがあれば金属管を通じてかすかな連続音が響くため、壁や床を壊さずに内部の異常を把握することができます。
こうした基礎的な確認を踏まえ、実際の調査では次のような手順で各箇所を点検していきます。
🔷 調査方法
音聴棒を用いて、露出している配管(給水管や給湯管)や水栓本体(浴室シャワー水栓や台所水栓など)、止水栓、ゲートバルブなどの弁栓類に押し当てます。周囲の配管を伝わる微細な漏水音を高感度マイクが拾い上げます。音は金属管を通じて広がるため、離れた位置からでも漏水の有無を判断できます。
一般住宅では、台所や洗面台の止水栓付近、温水器まわりなど、普段は床下に隠れた部分の確認に多く使われます。
🔷 特徴と効果
高度なノイズキャンセリング機能により、周囲の生活音や機械音などの雑音を除去し、漏水音のみを的確に聴き取ることが可能です。これにより、狭い空間や複雑な配管構造内でも漏水ポイントを正確に絞り込めます。
🔷 メリット
漏水個所の早期特定により、必要な修理範囲を限定し、無駄な工事や費用を削減。軽量・小型設計のため、狭い場所でも容易に操作でき、作業時間の短縮にもつながります。
🔷 まとめ
屋内調査は、音聴棒で漏れの兆候を確かめる基本工程であり、壁や床を壊さずに配管内部の異常を判断できる点が大きな特徴です。高感度の音聴技術によって得られた情報は、次に行う屋外や路面での調査へとつながり、より正確な位置特定の判断材料となります。
こうした初動段階の精度が、全体の調査効率と修理の確実性を左右する重要な要素となります。
🟦 2. 屋外調査
屋内で異常が見つからない場合や、漏れの範囲をさらに広く確認したい場合に行うのが屋外調査です。地中に埋設された配管に発生する微細な漏水音を、グランドマイクを用いて正確に捉えることで、掘削を行わずに位置の見当をつけることができます。コンクリート舗装や駐車場下など、目視で確認できない環境においても有効な調査手法です。
🔷 調査方法
専用のグランドマイク部を地面に押し当てて、土壌やコンクリート、アスファルト舗装の下に埋設された管から発せられる漏水音を検知します。
🔷 特徴と効果
地中の漏水音は微弱で環境音に埋もれがちですが、機器の高感度マイクと信号増幅機能、ノイズキャンセリング機能が組み合わさることで、正確かつ安定的に漏水音を捉えます。これにより、埋設管の漏水箇所を素早く特定でき、調査精度が大幅に向上します。
屋内で反応がなかった場合でも、屋外側の埋設配管をこのグランドマイクで確認することで、漏水範囲を効率的に絞り込むことができます。駐車場下やコンクリート舗装の厚い場所でも、路面を壊す前に音で漏れの有無を判断できるのが大きな特徴です。
🔷 メリット
地面の種類や舗装の有無にかかわらず幅広い環境に対応可能で、現場の状況に左右されにくい調査が行えます。早期発見によって水道料金の無駄や設備の劣化を抑制し、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。
🔷 まとめ
屋外調査は、地中に隠れた漏水を的確に捉えるための要となる工程です。音の伝わり方を丁寧に聴き分けることで、無駄な破壊を避けつつ漏水位置を特定でき、調査全体の精度を大きく高めます。屋内での確認と組み合わせることで、配管全体を見渡した一貫した診断が可能になります。
🟦 3. その他の調査
屋内や屋外の基本調査に加え、給湯器や外水栓柱といった設備まわりを重点的に確認する場合にも、この探索機は活躍します。配管が露出している箇所では音聴棒へ切り替え、狭い空間や複雑な構造部でも的確に漏水音を捉えることができます。また、他の調査機器と組み合わせることで、現場ごとに異なる条件にも柔軟に対応でき、調査全体の精度と判断の確実性を高めます。
🔷 給湯器・外水栓柱周辺調査
給湯器(水道直結式・タンク式)や外水栓柱などの設備が設置されている場合には、グランドマイク部から音聴棒に切り替えて使用します。露出配管周辺の漏水音を詳細に調査することができ、設備特有の漏水も見逃しません。
たとえば、外水栓の根元や給湯器の出湯管まわりなど、他社では調査が難しい狭所でも対応可能です。
🔷 調査の総合的サポート
この機器は単独使用だけでなく、他の漏水調査機器と組み合わせることで、調査の精度と効率をさらに高めることが可能です。現場の状況に応じて最適な調査手法を提案し、漏水箇所の早期発見を支援します。
次の章では、この探索機の構造や各部位の特徴を詳しく紹介します。
どのように音を拾い、どんな部分が精度を支えているのかを解説します。
🔷 まとめ
本章で紹介したように、この探索機は屋内・屋外にとどまらず、設備まわりや特殊な環境でも高い性能を発揮します。状況に応じて音聴棒やグランドマイクを使い分けることで、漏水の見落としを防ぎ、現場ごとに最適な調査を実現します。こうした総合的な対応力が、次に解説する機器構造や精度設計の要となっています。
🟩 第2章|小型音聴式漏水探索機の紹介
- 品名 : 小型音聴式漏水探索機ステッドフォン
- メーカー:グッドマン
前章で紹介した小型音聴式探索機の実製品が、グッドマン製「小型音聴式漏水探索機ステッドフォン」です。コンパクトながら高い検知精度を備え、初動から本調査まで幅広く使用されています。漏水箇所から発せられる微細な音を正確に捉え、位置特定を効率的に行うことができます。下の写真は、実際に現場で使用されるステッドフォンの構成です。
次節では、それぞれの部位がどのような役割を果たしているのかを順に解説します。

[写真:小型音聴式漏水探索機ステッドフォン(グッドマン製)]
🟦 各部位の紹介
小型音聴式漏水探索機は、単体での性能だけでなく、各部位が連動して正確な音聴結果を導き出すよう設計されています。地中の振動を捉えるグランドマイク部、金属管を介して音を拾う探索棒、そして音を視覚化・数値化する本体とヘッドフォンが連携することで、目に見えない漏水音を確実に判断できる仕組みになっています。
ここでは、それぞれの部位がどのような役割を担い、調査精度をどのように支えているのかを紹介します。
1️⃣ 左:「グランドマイク部」
地面に密着させることで、土やコンクリート、アスファルト舗装の下に埋設された配管から漏れる水の音を拾い上げます。音の振動を感知することで、地中に隠れた漏水箇所の位置を絞り込むのに有効です。
2️⃣ 中央:「探索棒」と「本体」
連結型の探索棒は、様々な配管や弁栓、水栓本体に押し当てることができ、配管を伝わる漏水音を正確に聴取します。
探索棒で拾った漏水音は、本体のディスプレイにデジタル数値として表示され、漏水箇所の特定をより客観的にサポートします。
3️⃣ 右:「コードレスヘッドフォン」
高性能なノイズキャンセリング機能が搭載されており、周囲の交通音や風の音、工事音などの雑音をシャットアウト。調査者はよりクリアな漏水音を聴くことができ、見逃しや誤判定を防ぎます。
🔷 まとめ
探索機を構成する各部位は、単独ではなく相互に補い合うことで最大の効果を発揮します。地面や配管を通じて伝わる微細な音を正確に拾い上げ、不要なノイズを排除しながら解析する一連の仕組みこそが、調査の信頼性を支える中核です。
こうした精密な構造によって、現場では確かな判断と迅速な特定が可能になります。
🟦 機器の特徴
小型音聴式漏水探索機は、家庭から商業施設まで多様な現場環境に対応できるよう設計されています。配管の種類や設置場所に左右されず、音の伝わり方を正確に捉えることで、見えない漏水を素早く特定することが可能です。
ここでは、現場での使い勝手と調査精度を支える主な特徴を紹介します。
1️⃣ 多様な配管・弁栓に対応
露出している給水管、給湯管、井水管などの管体類、止水栓やゲートバルブなどの弁栓類、単水栓や混合水栓、サーモスタット水栓などの水栓類に対応し、それぞれの本体に探索棒を押し当てて漏水音を検知可能です。
2️⃣ 地中や壁面からの漏水音も捉える
グランドマイク部を路面や壁面に押し付けることで、地中や壁内部で発生している漏水音を検知。目視できない場所の漏水発見に役立ちます。
3️⃣ 高精度のデジタル信号処理
漏水音は増幅されてデジタル信号に変換され、本体のディスプレイで数値化されるとともに、専用ヘッドホンでリアルタイムに聴取できます。
4️⃣ 優れたノイズキャンセリング機能
車の走行音や風の音、鳥の鳴き声などの環境雑音を効果的に除去し、小さな漏水音も明瞭に聴き取ることが可能。調査の精度と効率を大幅に向上させます。
🔷 まとめ
この探索機の強みは、あらゆる環境下で安定した音聴性能を発揮できる点にあります。多様な配管や舗装面に対応しつつ、ノイズを抑えて漏水音だけを的確に抽出することで、調査の信頼性を高めます。
こうした総合的な性能が、現場での判断精度と作業効率の向上に直結しています。
🟦 主な調査対象物
ステッドフォンは、屋内外を問わず多様な設備に対応します。埋設管から露出配管まで、漏水の発生しやすい代表的な箇所は次のとおりです。
- 管体類(水道管・給湯管・井水管・送水管など)
- 弁栓類(ゲートバルブ・ボールバルブ・止水栓など)
- 水栓類(単水栓・混合水栓・サーモスタット水栓・シャワー水栓など)
- 計量器類(水道メーター・流量計・圧力計など)
これらの対象に効果的に使用できるため、建物内外を問わず幅広い環境での漏水調査に活用されています。
🟦 調査方法
小型音聴式漏水探索機は、現場の状況に応じて「音聴棒」と「グランドマイク部」を使い分けながら調査を行います。露出している配管や水栓まわりでは音聴棒を使用し、地中や壁面など目に見えない場所ではグランドマイク部で音を拾うことで、漏水箇所を効率よく特定していきます。
ここでは、それぞれの調査手法と活用場面を詳しく説明します。
1️⃣ 音聴棒を使った調査
調査員は、連結型の探索棒を調査対象となる配管や弁栓の本体にしっかりと押し当てます。探索棒を通じて伝わる水漏れによる微細な振動音や水音を高感度で拾い上げ、漏水が発生している箇所を特定していきます。特に露出している管体類や水栓本体、止水栓、ゲートバルブなどの弁栓類で効果的に使用され、狭い場所や複雑な配管環境でも正確な漏水位置の絞り込みに役立ちます。

[写真:トイレの止水栓に音聴棒をあてている作業写真]
探索棒をトイレの止水栓本体や露出している配管部に押し当て、ロータンクまわりの給水管で発生している微細な漏水音を確認しています。


[写真:水道メーター本体における音聴棒調査]
水道メーター(量水器)本体に音聴棒を押し当て、水の流れる音の有無を確認します。
2️⃣ グランドマイク部を使った調査
グランドマイク部は、地面や壁面に密着させて使用する円盤型の特殊マイクです。
土やコンクリート、アスファルト舗装の下に埋設された配管から伝わる微細な漏水音を感知し、目に見えない地下や壁内部の漏水箇所を効率よく探し出すことができます。
特に、地下埋設管の漏水調査や広範囲の初動調査で効果を発揮し、早期発見と迅速な対応を支援します。

[写真:外壁面における音聴調査]
グランドマイク部を外壁面に押し当て、内部の給水管や給湯管、継手部から伝わる微細な漏水音を確認しています。
[写真:アスファルト舗装面における路面音聴調]
グランドマイク部をアスファルト舗装面に押し当て、地中に響く微細な漏水音を確認しています。路面調査では自動車の走行音や風音など周囲の雑音が影響するため、ノイズキャンセリング機能が正確な判定に欠かせません。
🔷 まとめ
音聴棒とグランドマイク部の使い分けは、調査精度を大きく左右する重要なポイントです。配管の状態や設置環境に合わせて適切に機器を選択することで、漏水位置を確実に捉え、無駄のない調査を実現できます。
こうした的確な判断と操作の積み重ねが、調査全体の信頼性を支える基礎となります。
🟩 第3章|まとめ
弊社では、「どこで漏れているのか分からない水漏れ」に対しても、正確な特定から修理まで一貫して対応しています。トレーサーガス調査・路面音聴調査・音聴棒調査を組み合わせることで、埋設管の漏水を高精度かつ迅速に特定することが可能です。
水道メーターが回り続ける、地面がいつまでも乾かないといった異常を感じた際は、早期発見と早期対応が被害拡大を防ぐ鍵となります。原因が分からずお困りの場合も、豊富な経験と実績をもとに、現場の状況に応じた最適なご提案を行います。
🟩 第4章|さいごに
本章では、地域で実際に対応している範囲と、ご相談いただきたいケースをお知らせします。
漏水は発見が遅れるほど被害が拡大し、修理費用も増大します。特に井戸ポンプをご利用の方は、漏水が続くと電気料金の急増やポンプ寿命の短縮・故障に直結するため、早期の点検が重要です。
当社は酒々井町を含む印旛地域(佐倉市・成田市・富里市・四街道市など)やその周辺地域(芝山町・千葉市若葉区・千葉市緑区など)、さらに千葉県全域および茨城県全域において、漏水調査・修理サービスを提供しています。
トレーサーガス調査、路面音聴調査、音聴棒調査などを組み合わせることで、給水管・給湯管・井水管・送水管などに生じた“目に見えない水漏れ”も迅速かつ確実に特定します。原因が分かりにくいケースでも、経験豊富なスタッフが調査から修理まで一貫対応し、再発防止まで見据えた施工を行っています。
「水漏れかもしれない」「どこに相談すべきか迷っている」といった場合も、どうぞお気軽にご相談ください。地域に密着した対応で、安心・確実な漏水調査を実施し、皆さまの安全で快適な暮らしをお守りいたします。
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