前半|基礎編
漏水は“待つほど高くつく”
— 仕組み・一次判定・調査と費用の基本
水道代が急に高い/どこかで水の音がする。その違和感は、料金だけでなく建物や健康にも波及する“最初のサイン”です。漏水は自然治癒せず、時間とともに流量・請求・湿気・建材劣化が加速します。
この記事では、なぜ放置が危険なのか、どんな順序で確認・調査・修理へ進むべきかを、初めての人にもわかるように説明 → 要点 → 次の行動の型で整理しました。
本記事は「前半|基礎編」では、なぜ放置が危険か、まず何を確認するか、調査と費用の基本を「説明 → 要点 → 次の行動」の型で整理します。具体的な手順・チェックリストは「後半|実践編」で解説します。
👉 後半(実践編)はこちら
もくじ:前半
- 1|漏水は自然に止まらない理由(管内圧で穴が広がる)
- 2|温水漏れが重くなる理由(湿度・熱・光熱費の三重負担)
- 3|時間で進む悪化の流れ(1か月/3か月/半年/1年/数年)
- 4|調査手法の使い分け(音聴/トレーサーガス/路面音聴/サーモ)
- 5|電話見積がズレやすい理由と現地確認の役割
- 6|費用と対応エリアの考え方(出張費=準備/調査費=難易度)
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🟩 1|なぜ漏水は自然に止まらない?—管内圧が穴を広げる理由
家庭の給水管は、ふだんからおよそ0.2〜0.4MPaの圧力にさらされています。ごく小さな傷やピンホールでも、そこに圧力が集中して縁が少しずつ摩耗し、口径はじわじわ拡大します。
配管の中を流れるのは“きれいな水”なので、サビや汚れで穴がふさがることは期待できません。むしろ**伸び縮み(温度変化)や振動(ポンプ・通水のON/OFF)**が繰り返されるたび、傷口は疲労して広がりやすくなります。
穴がわずかに広がるだけでも、失われる水の量は比例以上に増えます。水が抜ける量が増えると、メーターは休まず回り、井戸ポンプは圧力を保つために頻繁起動。料金の増加・湿気の滞留・建材の劣化が同時に進行します。ここで「そのうち落ち着くはず」と様子見すると、広がりながら悪化する仕組み”の前に、家計も建物も確実に不利になります。
⬛ 具体例:イメージ
- たとえば毎分100ml(紙コップ1/2弱)の漏れでも、1か月で約4.3㎥。下水道料金が連動する地域では実質負担は倍近くになります。
- これが温水側なら、ガス・電気のロスも上乗せ。床下は高温多湿になり、カビ・腐朽が進みやすく、修繕範囲が広がります。
⬛ まとめ:要点
- 様子見は損:内圧と熱伸縮で穴は拡大に向かう一方。
- “そのうち塞がる”は誤解:清浄水では自然治癒しない。
- 影響は三段重ね:請求↑・湿気滞留・建材/設備寿命↓。
⬛ 結論と次の行動
【漏水は待っても治らない。放置=穴拡大=損失増は“加速カーブ”です。だからこそ、まず今日できる一次判定を。
家中の蛇口を閉めてメーターの“パイロット”が微回転していないか確認してください。回る(またはときどき動く)なら、初動調査→本調査へ進む価値があります。
🟩 2|なぜ温水漏れは被害を拡大させるのか — 湿度・熱・コストの三重苦
「漏れているのは水か、お湯か」で、被害のスピードと範囲が大きく変わります。
温水は温度が高い/蒸気を生む/浸透しやすいという性質のため、床下や壁内にこもると短期間で湿度上昇→カビ・腐朽→建材劣化を進めます。さらに給湯器が常時着火・待機しやすく、水道代+ガス代(または電気代)の二重負担に直結。結果として、冷水漏れよりも気づきにくいのに高くつくのが温水漏れです。
⬛ よくある発生源
- 給湯器まわりの継手・配管(屋外壁際/床下立ち上がり部)
- 混合水栓の温水側(キッチン・洗面・浴室)
- 床暖房・追い焚き配管(在来浴室・長い循環経路)
- エコキュート等の貯湯式(湯側・水側が別系統)
⬛ 現れやすいサイン
- 給湯器が不在時でも小刻みに点火/リモコンの燃焼表示が頻発
- 床下がほんのり暖かい・収納内部が湿っぽい/甘い匂い
- 浴室外の壁やドアが結露しやすい、クロスが波打つ/浮く
- メーターのパイロットが湯の元栓を閉めると止まる(→温水側疑い濃厚)
⬛ 被害が広がる理由(仕組み)
◾ 湿度のブースト効果
温水は蒸気化しやすく、床下・壁内に高温多湿のポケットを作ります。カビや腐朽菌の増殖速度が上がり、木材の強度低下が早まります。
◾ 土壌の緩みと空洞化
暖かい水は土を緩ませやすく、細粒分が流出。庭や駐車場の沈下・陥没につながります。
◾ エネルギー損失の二重計上
漏れた分だけ水道(または井戸水の電気)+給湯エネルギーが消費されます。冷水漏れと比べて請求インパクトが大きい。
◾ 発見が遅れやすい
温水はにじみ漏れでも広がりやすく、音が出にくいことが多い。音聴だけでは拾えず、ガス調査の併用前提になりがちです。
◾ 具体的な規模感(イメージ)
- 毎分100mlの温水漏れ → 1日約144ℓ、1か月で約4.3㎥。
- 毎分300mlなら1か月で約13㎥。水道・下水に加え、給湯のガス/電気が常時消費。請求の上振れは水だけの数倍になることもあります。
◾ 一次対応と一次判定(安全にできる範囲)
- 家中の蛇口を閉めてメーターのパイロットを確認(微回転=どこかで漏れ)。
- 給湯器の湯側元栓を閉める(または給湯器を停止)→ パイロットが止まれば湯側が本命。
- 不在時に給湯器が着火していないか(リモコン表示や本体音)を観察。
- 床下点検口・シンク下を開け、温かい湿気・結露・水染みの有無を確認。
※ガス機器の操作に不安があれば無理は禁物。ここまでの結果共有だけで当たり付けは十分に早くなります。
◾ 調査での考え方(現場サイド)
- 温水漏れは音が乏しいケースが多い → トレーサーガス+路面音聴のハイブリッドで特定精度を上げます。
- エコキュート等は湯水が別系統 → 2系統の判定・確認が必要。時間と費用の見積りは湯・水別で組むのが正確です。
- 立入不可(物置・デッキ直下)があると、穿孔/バイパス手法の検討が必要になり、工程が変わります。
◾ 要点まとめ
- 温水漏れは湿度・熱・エネルギー損失の三重苦。冷水漏れより早く、広く、高くつきやすい。
- 音が出ない→ 音聴だけに頼らずガス調査併用が基本。
- 湯側元栓を閉めてのメーター確認が、家庭でできる最速の系統判定。
- エコキュート等は2系統扱いになり、調査計画と費用感が変わる。
◾ 結論と次の行動
- 今できる最短のチェック:
- すべての蛇口を閉めてメーター確認 → 微回転なら漏れ寄り。
- 給湯器の湯側元栓を閉めて再確認 → 止まれば温水側が濃厚。
- 温水側の疑いが出たら:
「いつから・どのくらいの頻度で給湯器が着火」「どこが温かい/湿っているか」をメモか写真にして共有。初動からガス調査併用前提で臨めるため、特定の的中率と所要時間が改善します。
🟩 3|放置期間ごとの悪化シナリオ — 1か月/半年/数年で何が変わるか
漏水は量が同じでも「時間」が被害を増幅します。
わずかな漏れが続くほど、
①料金の累積、
②湿気の滞留、
③建材の劣化・腐朽、
④設備の過稼働(ポンプ・給湯器)――が静かに同時進行します。
👉 ここでは「いつ・何が・どこまで進むか」を時間軸で把握し、“今ならどこで止められるか”の目安を明確にします。
⬛ 悪化ステップ(時間軸)
◾ 〜1か月:請求と兆候が“顔を出す”段階
- 料金の上振れ
毎分100mlの漏れ=1か月約4.3㎥。多くの家庭で数千円〜1万円弱の跳ね。温水の場合はガス/電気も積算されます。
- 住まいのサイン(軽微)
収納内や床下点検口付近でしめり・におい。トイレや水栓の微かなにじみ。庭の一部だけ草の伸びが良い。
- 機器のサイン
給湯器の小刻み点火、井戸ポンプの異常なON/OFF。
- ここで止められる対処
メーター確認→湯側元栓の開閉で系統判定。疑いが出たら初動調査へ(音聴+ガスの当たり付け)。
◾ 〜3か月:局所ダメージが“形になる”段階
- 料金の累積
毎分300mlの漏れ=1か月約13㎥。3か月で約40㎥超。水道+下水で2〜4万円規模、温水ならさらに倍増も。
- 住まいのサイン(目視化)
クロスの浮き・巾木の黒ずみ・床のフカつきが点状に出始める。押し入れ・階段下などで甘いにおい/カビ臭。
- 機器の影響
ポンプの接点・リレー摩耗が進む/給湯器熱交換器の常時温度負荷。
- ここで必要な対処
本調査で特定(トレーサーガス+路面音聴の併用)。部分補修ならこの段階が費用最小。
◾ 〜半年:建材・断熱の“性能が落ちる”段階
- コストの二次被害
床下の湿気で断熱材が吸湿→断熱性能低下。冷暖房効率が落ち、光熱費まで増加(“漏水+空調”のダブル増)。
- 住まいのサイン(広がり)
床反り/フローリングの継ぎ目開き、押し入れの黒点カビ、浴室外壁の結露常態化。庭や駐車場に浅い沈下。
- 衛生・健康
カビ胞子の飛散で咳・鼻炎・皮膚症状が家庭内で慢性化しやすい。
- ここで必要な対処
特定→補修+乾燥養生。必要に応じて断熱材・下地の入替や**防蟻(予防)**を検討。
◾ 〜1年:構造と外構に“恒常的ダメージ”が出る段階
- 構造への影響
木部は含水率の高止まり→腐朽菌優勢。在来浴室や基礎立ち上がりでひび・剥離が増加。RCでも鉄筋さび(爆裂前段階)。
- 外部・地盤
土壌の細粒分が流出→空洞化。舗装のクラック・わだち沈下が明確に。
- 設備寿命
井戸ポンプモーター焼損/メカシール漏れ、給湯器制御基板腐食など、高額修理・交換ゾーンに入る。
- ここで必要な対処
配管区間の入替/バイパス新設、床や壁の部分解体・復旧まで視野に。工程と費用は数十万円規模に。
⬛ 数年:大規模修繕・資産価値“毀損”の段階
◾構造的リスク
土台・大引きの広域腐朽、蟻害。基礎の鉄筋腐食→かぶり剥離。耐震性低下で将来の改修費が跳ね上がる。
◾外構・隣地波及
陥没・境界の不同沈下→隣地トラブル・賠償リスク。
◾費用インパクト
区間入替+躯体補修+内装復旧+外構やり直しで100万円〜数百万円も。場合により抜本リフォームを検討。
⬛ 事例イメージ(規模感の目安)
◾屋外・毎分100ml(冷水)
- 3か月放置:請求約1〜2万円増/舗装に薄いシミ。
- 1年放置:浅い沈下→舗装やり直しで数十万円+配管更新。
◾床下・毎分300ml(温水)
- 1か月:請求5千〜1万円超上振れ+収納内部のにおい。
- 6か月:床のフカつき/断熱材入替。20〜40万円帯に。
- 1年超:下地補修+内装復旧で50〜150万円規模も。
※あくまで典型例。実費は配管材質・距離・立入可否・復旧範囲で変動。
⬛ 早期発見の目安(「今」確認できること)
- メーターのパイロット:家中の蛇口を閉めて微回転=漏れ寄り。
- 湯側切り分け:給湯器の湯元栓を閉めて再確認。止まれば温水側が本命。
- におい・温度:点検口やシンク下を開けて甘いにおい/温かい湿気。
- 設備の挙動:不在時の給湯器点火/ポンプ頻繁起動があれば要注意。
- 屋外の違和感:一点だけ草勢が強い/コンクリの濃いシミ/常湿地帯。
⬛ 家でできる“抑え込み策”(応急)
- 漏れていそうな枝の元栓を閉める(屋外水栓系統、湯側など)
- 換気+送風で床下・収納の湿気を逃がす(カビの立ち上がり抑制)
- **電気系の異常(ブレーカー・分電盤周りの湿り)**を感じたら、無理をしない(感電・火災回避)。
- 写真・メモで時期/サイン/着火頻度を記録(調査の再現性UP)。
⬛ 要点まとめ
- 時間が最大の増幅装置:同じ漏れ量でも、放置ほど料金・劣化・故障が指数関数的に重なる。
- “3か月”が分岐:目視できる被害が出始める前に特定→部分補修が最安。
- “半年”で居住性悪化、“1年”で構造・設備損傷のゾーンへ。
- 温水漏れは進行が速い:費用・範囲・健康面の上振れ幅が大きい。
⬛ 結論と次の行動
◾今日の最短手順:
- ①全蛇口を閉めてメーター確認 → 微回転なら漏れ寄り。
- ②給湯器の湯側元栓を閉めて再確認 → 止まれば温水側に系統判定に近づく。
- ③におい・結露・フカつき・外構の湿りをチェック → 場所メモ&写真。
◾明日のアクション:
- この判定結果を添えて初動調査を依頼。音聴+ガスのハイブリッド前提で組むと、特定の精度とスピードが上がり、復旧コストの最小化に直結します。
🟩 4|調査手法の得手・不得手と“組み合わせ方”
説明
漏水調査は**「ひとつの機器で何でも解決」ではありません**。
現場ごとに配管材質・埋設深さ・地盤・騒音環境が異なるため、手法ごとの得意/不得意を理解して適切に組み合わせることが、短時間での特定=工事費の最小化につながります。ここでは主要4手法の特徴と、現場条件別の“勝ち筋”を整理します。
⬛ 手法別の特徴
◼️ 1) 音聴調査(屋内・浅層で強い基本手)
◾しくみ:配管・水栓・床面に専用マイク/音聴棒を当て、漏れ音(シュー/サー)を拾う。
◾向いている
- 金属管や浅い塩ビ管、屋内配管・トイレ・器具周り
- 夜間や静かな環境、音が明確に出る漏れ
◾苦手
- にじみ漏れ(音が出にくい)
- 交通量の多い道路沿いや機械騒音がある環境
- 厚い舗装の深部
◾現場でのコツ
- 家族の使用を一時停止、給湯器の自動保温を切って家中の水を一時停止して静かな状態にする(+給湯器の自動保温を切る)。これだけで判定精度が上がります。
◼️ 2) トレーサーガス調査(“音なし”“深い”“複雑”への切り札)
◾しくみ:管内に安全なガス(例:水素系)を少量注入し、漏れたガスを地表で検知。
◾向いている
- 音が出ない/拾えないケース
- コンクリート下・地中深部
- 浅い箇所が広く枝分かれしている配管
◾苦手
- 厚い粘土質や亀裂の少ない厚舗装(ガスが上がりにくい)
- 浴室の防水層が強い仕上げ(ガスが抜けない)
◾現場でのコツ
温水・冷水が分かれる給湯方式では系統を分けて注入。湯側/水側の切り分けができると作業が早くなります。
◼️ 3) 路面音聴(舗装上から“一点”を刺す)
◾しくみ:舗装面(アスファルト/コンクリ)越しに広域→一点の順で音を比較し、ピークを探す。
◾向いている
- 舗装路面の下(車庫・アプローチ)
- 金属管や圧力の高い区間
◾苦手
- 騒音の大きい場所、雨天(使用不可の機器が多い)
- にじみ漏れ(音が拡散しやすい)
◾現場でのコツ
- 雨予報は避けるのが鉄則。乾いた静かな時間帯のほうが結果が安定します。
◼️ 4) サーモグラフィ(“見えない流れ”を可視化する補助線)
◾しくみ:表面温度差から、壁内/床内の流れや滞留を推定。
◾向いている
- 温水漏れの探索(温度差が出やすい)
- 室内の点検口周り、壁/床の面状把握
◾苦手
- 外気温と室温の差が小さい季節
- 厚い仕上げ材(温度差が表面まで届かない)
◾現場でのコツ
- 軽く空調を調整し、室内外/湯冷の温度差を意図的に作ると判別しやすくなります。
◾現場でのコツ
- 軽く空調を調整し、室内外/湯冷の温度差を意図的に作ると判別しやすくなります。
⬛ “組み合わせ”の基本設計(現場別の勝ち筋)
◼️ケースA:屋内でメーターが微回転、音は弱い
- 家中の水を一時停止して静かな状態にする(給湯器保温OFF・家中の水使用停止)→音聴で一次抽出
- 湯/水の元栓を別々に閉めて“どちらの系統か”を確認→疑わしい系統を音聴再試行
- なお不明ならサーモ+小面積ガスで室内の面を切る
→ 狭範囲の部分補修に持ち込みやすい流れ
◼️ケースB:屋外・舗装下で音が拾いにくい
- 日中の交通が落ちる時間帯に路面音聴で広域→狭域
- ピークが散る/音が弱い場合はガス併用で差を際立たせる
- ピンポイント化後にコア穿孔→確認→最小開口で補修
→ 舗装復旧コストを最小化しやすい
◼️ケースC:非分譲地・枝配管が多く範囲が広い
- 施主メモの既知のルート情報を反映→系統単位で元栓閉止
- メーター反応の有無で枝を切り分け→残った枝にガス注入
- 要所で音聴/路面音聴を重ね、枝を一気に削っていく
→ 広い敷地でも探索本数を減らし、時間を圧縮
◼️ケースD:温水の疑い(請求も高く、におい/結露あり)
- 湯元栓OFFでメーター停止を確認→湯側に集中
- サーモで面状の当たり→必要箇所のみガス
- 点検口の近傍から最小開口でアクセス→補修後に再圧確認
→ 養生/乾燥を計画に含める(断熱材の入替可否も判断)
⬛ 調査をスムーズにする準備(施主さまが今日できること)
◼️ 配管情報の共有:
- 分かる範囲で、外水栓/散水栓/増設や撤去の履歴、枝分かれの見当を書き出す。
◼️ 立入動線の確保:
物置・車両・重量物の一時移動(配管直上にアクセスが必要です)。
◼️ 家中の水を使わない“静かな時間帯を選ぶ:
交通騒音が少ない時間、家族の入浴/洗濯を避けた時間を提案。
◼️ 雨天回避:
路面音聴・屋外作業は晴天/乾燥日が有利。
◼️ 電気まわりの安全:
分電盤付近の湿り/結露を感じたら無理をせず申告(感電・ショート対策)。
⬛ 失敗を招きやすいポイント(先に知っておけば避けられる)
◼️「音がしない=漏れていない」と決めつける
→ にじみ漏れ/深部/粘土質では音が立ちません。ガス併用が有効。
◼️ 広い敷地で“配管探し”から始める
→ 調査は配管ルート調査ではなく漏れ特定が主目的。枝の切り分けで探索本数を減らします。
◼️ 雨天・騒音環境で強行
→ 再訪コストが積み上がります。条件の良い時間帯を押さえるのが最短。
⬛ 要点まとめ
- 手法は使い分けが命:音聴=速いが環境依存/ガス=静かに強いが土質依存/路面音聴=舗装下に強い/サーモ=温水補助。
- 現場条件(騒音・土質・仕上げ・枝の多さ)で戦略を変える。
- 最短ルートは「家中の水を止めて静かな状態にする→系統を判定する→機器を組み合わせる」。
- 施主側準備(立入・情報・時間帯)が、調査時間と復旧費を大きく下
⬛ 次の行動
- 家族の使用を一時止め、静音化した状態でメーター確認。
- 湯/水の元栓をそれぞれ閉めて、反応のある系統を特定。
- その結果(メーター挙動・におい・湿り・結露・騒音条件)をメモして、
「音聴+ガス併用前提」で調査を依頼。
──“条件に合う機器を最初から持参”でき、一発で絞り込める確率が上がります。
🟩 5|電話見積りがズレる理由——現地確認は「コスト削減の前払い」
説明
「まずは電話でざっくり費用を知りたい」というニーズは当然あります。
ただ、漏水調査は“現場条件の影響が極端に大きい仕事”。電話口だけで出す概算は、どうしてもズレやすいのが実情です。
ここでは、なぜズレるのか/現地確認で何が確定するのか/最終的な総額を下げるために施主側で今できる準備を整理します。
⬛ なぜ電話見積りはズレやすいのか(不確定要素の多さ)
◼️ 電話だけでは確定しにくい代表項目
- 配管ルート・枝分かれ:分譲地は素直でも、非分譲地や増改築歴があると“たこ足”化していることが多い。
- 配管材質・口径・老朽度:金属管/塩ビ/ポリ系で“音の出方”も“ガスの効き”も変わる。
- 埋設深さと土質:深い・粘土質はガスが浮きにくい。特定に時間がかかる。
- 仕上げ・舗装:土/コンクリ/アスファルト/タイルで手法と工数が変わる。
- 騒音環境・時間帯:交通量・屋外機器の稼働音が大きいと、音聴は効きづらい。
- 立入可否:物置・車・重量物の直下に配管があると調査が打てない(移動や開口が必要)。
- 温水系かどうか:給湯直結/エコキュート系で系統の切分け数=作業量が変わる。
- 床下の高さ・点検口の有無:侵入可否や安全確保次第で、調査の打ち手が制限される。
- メーターの挙動:現場で静音化して見ないと微回転が判別できないことがある。
- ポンプの有無・挙動:井戸ポンプの過起動は電気系まで確認が必要な場合も。
これらが複合すると、“どの機器をどの順でどこに当てるか”という作戦自体が変わります。
よって電話の「○万前後」は安全マージンを大きく取らざるを得ず、結果的に割高にも割安にもブレやすいのです。
◼️ 現地確認で“確定”できること(=誤差が小さくなるポイント)
- 系統の判定・確認:湯/水/屋外枝のどこでメーターが止まるかをリアルに確認。
- 戦術の確定:音聴/ガス/路面音聴/サーモの使い分け順を現場で決められる。
- 立入・開口の最小化計画:どこを通すと最短で届くかを現物で決定。
- 必要機材の確定持参:再訪や“機材の持ち直し”を防げる(=時間・費用の圧縮)。
- 復旧計画の明確化:舗装や内装の復旧範囲を最小で設計できる。
つまり現地確認は、“調査の無駄打ち”と“再訪”を防ぐための前払い。
結果として総支払額と工期を縮めるのに直結します。
◼️ ミニケースで見る“電話だけ”の落とし穴
- ケースA:舗装下で音が弱い
- 電話想定:音聴で短時間に特定→3〜5万円のつもり
- 実際:騒音+粘土質で音が立たず、当日ガス機材が無く再訪→再訪費+日延べで合計が上振れ。
→ 現地確認で“ガス前提”に切り替え、初回で一気に確定していれば総額はむしろ低い。
- ケースB:エコキュート方式(湯水分離)
- 電話想定:直結を前提に「一回の系統調査」見積り
- 実際:湯と水で実質2回分の系統確認工程が必要→時間・費用が増。
→ 先に現地で方式確認→最適ルートと段取りを組めば、追加の無駄工数を回避。
⬛ 施主さま側の準備で、見積りと作業はもっと正確・短時間に
◼️ 初連絡のときに伝えていただけると助かる情報
- 症状の履歴:いつから/請求の増加幅/不在時でもメーターが回るか。
- 設備の方式:給湯器の種類(直結/エコキュート)、井戸ポンプの有無と挙動。
- 敷地の概況:分譲地か/庭・駐車場の舗装状況/外水栓・散水栓の数。
- 既知の配管情報:施主メモや過去工事の写真があればベスト。
◼️ 訪問前にスマホ写真(5〜7枚)
- メーターボックスの中(パイロットが見える角度)
- 給湯器まわり(型番が見えれば尚良し)
- 外水栓・散水栓の全景
- 駐車場・アプローチの舗装面(全体がわかる)
- 室内で気になる場所(湿り・シミ・結露・音のする辺り)
- 井戸・ポンプ周り(ある場合)
- 敷地全景(配管の通りそうなラインが推測できる)
◼️ 当日のお願い
- 調査中は家中の給水を一時停止(静音化で精度UP)。
- 立入動線の確保(物置・車の一時移動)。
- 雨天の延期にご理解を(特に路面音聴は乾燥時が有利)。
◼️ 費用の考え方:現地確認=“調査費の一部前払い”という設計
当社では、現地確認の出張費を、後日の本調査へ充当できる仕組みにしています。
- 無駄足を避け、最適機材で一回で決める確率を上げる
- 再訪・やり直し・過大開口といった見えないコストを先に潰す
結果として、総額(調査+修理+復旧)の最小化につながります。
◼️ よくある疑問にひとことで
▪️Q. 電話だけで“ほぼ確定”できませんか?
▪️A. 漏水は“条件ゲーム”です。電話完結の精度はどうしても落ちます。現地で家中の水を止めて静かな状態にし、系統を判定して初めて、最短ルートが決まります。
▪️Q. 現地確認を省いて、すぐ本調査に入れませんか?
▪️A. 可能な場合もありますが、機材や段取りが外れると再訪になり、総額は上がりがちです。最短で終わらせるための下見だとお考えください。
◼️ 次の行動
- いま分かる範囲で症状・設備・敷地の情報をメモ。
- 上のリストを参考にスマホ写真を5〜7枚撮る。
- 現地確認の希望日時を連絡(静かな時間帯が最適)。
——これで、一発確定の確率と総コストの最小化がぐっと高まります。
🟩 6|費用とエリアの考え方——出張費は“準備”、調査費は“難易度”
説明
「いくらかかるの?」が一番気になるのは当然です。ここでは、出張費が何に充てられるのか、調査費がどう決まるのか、そして総額を下げるコツを、文章で分かりやすく整理します。表は使わず、具体例とチェックリストでイメージできるようにしました。
⬛ 出張費=“現地確認と段取り”の費用
- 出張費は単なる移動代ではありません。訪問して行うのは次の準備です。
- 敷地・屋内外の目視(配管が通り得る動線の把握)
- メーター・ポンプ・給湯系の系統切り分けの当たり
- 騒音・土質・舗装状態を見て機材選定と手順確定
- 立入の可否や安全確保、復旧範囲の最小化設計
つまり本調査を一発で決めるための段取りです。当社はこの出張費を本調査費へ一部/全額充当できる設計にしており、再訪ややり直しを減らして総額を下げる狙いがあります。
⬛ 調査費は“現場の難易度”で決まる
同じ戸建てでも、条件で工数は大きく変わります。基準イメージは以下の順番で膨らみます。
◼️ 配管が素直・音が出る・土
→ 音聴中心で短時間に決着しやすい。
◼️ 舗装あり(コンクリ/アスファルト)
→ 路面音聴やガス併用で工数増。
◼️ 粘土質・深い埋設・騒音環境
→ ガス+音聴のハイブリッドで時間増。
◼️ 湯水系統が分離(エコキュート等)
→ 実質“二系統分”の切り分けが必要。
◼️ 立入制限(物置・車・重量物直下)
→ 動線確保や開口の準備が発生。
目安感:分譲地・30〜50坪・土中心で1箇所5〜10万円前後(調査のみ)。
舗装比率や難条件が増えるほど、1.2〜1.5倍程度に振れやすい。
※修理・復旧・出張費は別。現地で最小化設計を行います。
⬛ 地域と時間の目安
◼️ 出張費(現地確認に伴う費用)
- 出張費は現地確認のためにお願いしています。
- 調査は別日での実施となります。
- 後日調査に進まれる場合は、出張費の一部または全額を調査費に充当します。
◼️ 金額
- 印旛地区(酒々井町・佐倉市・成田市・富里市・八街市・四街道市・印西市・白井市・栄町):3,000円〜6,000円
- 千葉県内(上記以外):5,000円〜
- 茨城県:7,000円〜
◼️ 時間の目安
- 60分以内:3,000円〜6,000円
- 60分超:7,000円〜
◼️ 調査費用の目安(業界平均の相場例)
※条件が揃いやすい 「分譲地・30〜50坪以下の戸建て」 をモデルケースとした調査費のみの目安です(修理費・出張費は含みません)。
- 土の場合:5万〜10万円前後/1箇所
- コンクリート・アスファルト舗装:土の場合の1.2〜1.5倍が目安
費用の振れ方
- 調査時間の長短/配管長・口径/敷地条件(分岐の多さ)
- 床下侵入・高所等の安全確保や、路面穿孔等の特定作業の有無
- 給湯方式(直結なら湯水まとめて、エコキュートは湯水別系統=実質2回分の切り分け)
対応エリア
- 千葉県全域/茨城県全域に対応しています。
⬛ 具体例でイメージ(文章版)
◼️ 例A:分譲地・土・音あり
現地で湯水を一発切り分け→音聴で局所化→短時間で特定。
合計コストは下限帯に収まりやすい。
◼️ 例B:舗装下・交通騒音大
音が弱く、初手からガス+路面音聴を選択→工数は増。
ただし現地確認で段取りできていれば再訪なしで総額最小に。
◼️ 例C:エコキュート・分岐多数・物置直下
湯水別系統+立入制限で切り分け回数増。
訪問前に物置を一時移動・写真共有があれば半日短縮でき、総額差が出る。
⬛ 施主さまが“今できる”コストダウン
- 写真を事前共有:メーター/給湯器型番/外水栓/舗装面/気になる箇所。
- 静かな時間で予約:深夜早朝は不要、日中でも静音帯を選ぶ。
- 立入動線を確保:物置・車の一時移動、点検口の前を空ける。
- 方式を伝える:直結かエコキュートか、ポンプの有無と挙動。
- 過去工事のメモ:写真一枚でも配管推定の近道になります。
⬛ まとめ
出張費は“本調査を無駄なく決めるための前準備”の費用。充当制度で総額の圧縮に効きます。
- 調査費は、土・舗装・騒音・深さ・系統数・立入で決まり、難易度に比例。
- 事前情報・写真・静音時間・動線確保で、一発確定の確率が上がり、最終コストが下がる。
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