【イワヤ・ジェットポンプFAQシリーズ|リクエスト編 第2回】JPS-4051Fが、止まったり動いたりを繰り返す(チャタリング)は故障ですか?

🟩 井戸ポンプFAQシリーズ|リクエスト編(第2回)

『ポンプが止まったり動いたりを繰り返す(チャタリング)は故障ですか?』


このシリーズは、私たちが日々行っている井戸ポンプの修理・交換、漏水調査の現場で、お客様から実際にいただく質問を分かりやすくまとめた“現場型Q&A企画”です。専門的になりすぎないよう配慮しながら、必要なポイントを押さえてお届けします。


今回は、JPS-4051F で特にご相談の多い「止まったり動いたりを繰り返す症状」についてお答えします。


 

🟦 今回のご相談(修理で伺った際の質問)

千葉県八街市にて、深井戸用ジェットポンプ(イワヤ製 JPS-4051F)をご使用中のお客様から、「ポンプが止まったり動いたりを小刻みに繰り返す」というご相談を受け、現場で点検と対応を行いました。


🔷 施主情報

  • 千葉県八街市在住
  • 戸建て住宅(2階建)
  • 用途:生活用水


🔷 設備情報

  • 種類:深井戸用ジェットポンプ
  • 型式:イワヤポンプ JPS-4051F
  • 使用年数:12年
  • 電源:単相100V
  • 出力:400W


 

◼️ 質問:ポンプが止まったり動いたりを繰り返します。これは故障ですか?


 

◼️ 回答:この症状は“ポンプが異常に頻繁運転している状態”で、主な原因は次の3つです。

この現象は一般的にチャタリングと呼ばれ、ポンプが短い間隔で「止まる → 動く → 止まる」を繰り返す状態のことです。井戸ポンプが起動と停止を小刻みに繰り返すのは、圧力タンクの劣化、家庭内のわずかな止水不良、微漏水が関係している場合がほとんどです。


主な原因は次の通りです。



🟦 主原因

  1. 圧力タンクの内部ゴム膜の劣化
  2. 止水不良(トイレ・浴室シャワー水栓・キッチン水栓・洗濯機水栓)
  3. 微漏水(埋設管・給湯管・水栓本体の滲み漏水)


🔷 解 説

チャタリングが起きる多くの現場では、圧力タンクの不良と家庭内のわずかな止水不良が組み合わさっています。特にロータンク式トイレのわずかな止水不良は見落とされやすく、圧力タンクの劣化と重なると必ずチャタリングが発生します。


圧力タンクは使用年数に応じて必ず劣化します。5年を超えると内部ゴム膜が弱り始め、8年を超えると機能を維持できないため交換が必要な部品です。不具合が見えなくても内部では劣化しているため、症状の有無に関係なく交換推奨部品となります。



🟦 今回の現場対応(実際に行った作業)

今回のケースでは次の2点が主原因でした。


🔷 交換した部品

  1. 圧力タンク(内部ゴム膜の劣化)
  2. 浴室シャワー水栓本体(止水不良)


解説

浴室シャワー水栓は12年使用されており、止水不良に加えて温度調整機能の低下も予測されたため、本体交換となりました。修理費と本体価格の差がわずかだったことも判断理由です。


🟦 連鎖的に故障していた部品(交換した部品)

圧力タンクの劣化が周辺電装部品に負荷を与え、次の部品でも不具合が確認されました。


🔷 交換した部品

  1. 圧力スイッチ(接点の焦げ付き不具合)
  2. パワーリレー(接点の焦げ付き不具合)


🔷 交換した理由

井戸ポンプが小刻みに起動と停止を繰り返したことで、上記の接点が焦げ付き、導通不良によって起動停止が不安定になっていました。


🔷 交換に至った症状

圧力タンク交換後の試運転では、この2つの部品で起動が遅い、停止しないなどの症状が不定期に発生。接点不良が明確に確認できたため交換しました。

圧力タンクの劣化は電装部品の故障に直結するため、メーカー推奨交換目安は3年、自社推奨は3〜5年。どれだけ長く使っても8年を超えた圧力タンクは必ず交換すべき部品です。


また次のような日常的な軽微な不具合でもチャタリングは発生します。


🔷 チャタリングを誘発する軽微な不具合

  1. トイレの止水不良
  2. ボールタップやフロートバルブの器具不良
  3. 浴室シャワー水栓のポタ漏れ
  4. キッチン・洗濯機水栓の滲み漏水


解 説

これらは単独でも発生源になりますが、圧力タンクの不調と組み合わさると必ずチャタリングが起きます。わずかな漏れでも圧力が下がり、井戸ポンプは自動運転を行うため、日常点検が重要です。


🟦 今回見送った部品:制御基板とモーター

🔷 見送った部品

  • 制御基板
  • モーター部


🔷 見送った理由

基板の焼き付きや焦げ付きがなく動作が安定していたため今回は交換を見送りました。モーター部も過度な発熱がなかったため交換には至りませんでした。



🟩 まとめ

チャタリングの大半は圧力タンクの劣化が起点となり、家庭内のわずかな止水不良や微漏水が組み合わさって発生します。圧力タンクは使用年数に応じて劣化が進むため、5年を超えたら点検、8年を超えたら必ず交換が必要です。今回の現場では劣化した部品を交換することで動作が安定しました。普段と違う動きを感じた際には、早めに専門点検を受けることで修理費の抑制につながります。



🟩 最後にひと言

今回の現場では、圧力タンクの劣化と水栓まわりの止水不良が重なったことでチャタリングが発生していましたが、必要な部品交換を行い安定した動作に戻りました。井戸ポンプは、圧力タンクや家庭内のわずかな水漏れが原因で思わぬ不具合が起こることがあります。いつもより動作が落ち着かない、短い間隔で動く、といった違和感があれば、早めに点検をご検討ください。



⬛ 次の記事(準備中)

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