「ジェットポンプの水漏れ原因とは?」内部構造と修理・交換のポイントを詳しく解説

ジェットポンプ水漏れの原因と現場での実態


はじめに

深井戸用ジェットポンプは、家庭用や小規模施設用の井戸ポンプとして長年広く使用されてきました。しかし、実際の設置現場では、使用開始から数年が経過するとさまざまな異常が確認されることがあります。具体的には、ポンプ運転時や停止時に大きな異音が発生したり、地上部ユニット周辺で水が漏れて湿っているといった現象です。さらに、水圧や水量が徐々に低下するケースもあり、場合によっては電装部品に水がかかり、漏電やショートのリスクが生じることもあります。


これらの状況を経験した使用者から、当社には次のような相談が寄せられます。

  • 「ポンプが壊れてしまうのではないか」
  • 「ポンプを交換しなければならないのか」
  • 「ポンプ本体からの水漏れは修理できるのか」


こうした相談を受け、当社では実際に水漏れが発生しているジェットポンプ(地上部ユニット)のオーバーホール作業を実施しました。作業を通じて、内部構造や各部品の状態を詳細に確認し、どの部品が水漏れに関係しているのかを把握することができました。


本記事では、オーバーホールで確認された深井戸用ジェットポンプの内部構造や水漏れの原因を専門的に解説し、修理・交換のポイントについても詳しく紹介します。



①記事作成の経緯

現場で観察されたジェットポンプの異常は、使用者から寄せられる問い合わせの中でも特に多く、日常的な使用に支障をきたすことがあります。深井戸用ジェットポンプは家庭用や小規模施設用として一般的ですが、使用開始から数年経過すると、以下のような現象が現れるケースが目立ちます。


運転時や停止時の異音

ポンプが稼働する際や停止した直後に、モーターや羽根車から通常とは異なる大きな音が発生することがあります。これは、内部部品の摩耗や回転軸周囲のパッキンの劣化、さらには錆や異物の付着によって生じる場合が多く、放置するとポンプ本体のさらなる劣化につながるリスクがあります。


地上部ユニット周辺の水漏れ

ポンプ本体の外装周囲に水が滲み出している、あるいは台座に水滴が溜まる現象もよく報告されます。これは、羽根車と回転軸の接続部に設置されたシール材の劣化や密着不良、さらには外装部の腐食が原因で起こります。水漏れが長期間続くと、水圧の低下や電装部品への影響が懸念されます。


水圧や水量の低下

井戸からの吸水能力が徐々に低下し、水栓を複数同時に使用した際に十分な水圧が得られないケースもあります。これは、羽根車の摩耗や回転軸周囲のシール材の密着不良、さらにはポンプ内部の貯水部や揚水管の詰まりが原因であることが多く、放置すると日常生活での使用に支障をきたします。


→こうした現象を受け、当社では実際に水漏れが発生しているジェットポンプの地上部ユニットをオーバーホールしました。作業の過程では、ポンプを分解して内部部品を詳細に確認し、どの部品がどのように水漏れや異音に関係しているのかを把握することができました。


オーバーホール作業を通じて得られた知見は、以下の点にまとめられます。

羽根車と回転軸の関係

羽根車は、モーターの回転力を伝える回転軸を介して接続され、水を汲み上げる役割を担います。羽根車の中心部にはU字型のパッキンが装着されており、ここが劣化すると内部の水が外部に漏れる原因になります。


シール材の劣化と外装部の腐食

ポンプ内部の水が漏れないようにするシール材は、長年の使用で硬化や摩耗が進みます。また、鋳鉄製の外装部に腐食が発生すると、シール材の密着が不十分になり、水漏れのリスクが増加します。


ベアリングの摩耗

回転軸を安定させるためのベアリングも重要な部品です。ベアリングが摩耗すると回転軸がぶれ、羽根車やシール材との接触状態が悪化して異音や水漏れが発生することがあります。


水切板の役割

回転軸周囲には水切板が設置されており、内部から漏れ出す水を受け止め、電装部品への影響を最小限に抑えます。しかし、水漏れ量が増すと水切板では対応しきれず、電装部品に水が飛散してショートの原因になる場合もあります。


→これらの点を総合的に確認することで、ポンプのどの部分が水漏れや異音の原因になっているのか、どのタイミングで交換や修理が必要になるのかを明確に理解できます。本記事では、この知見をもとに、深井戸用ジェットポンプの水漏れの原因、内部構造、修理・交換のポイントについて詳しく解説していきます。


②オーバーホールするジェットポンプの仕様と現状

当社がオーバーホールを実施したジェットポンプは、家庭用や小規模施設向けの深井戸用ジェットポンプです。ジェットポンプは、地上に設置する地上部ユニットと、井戸内に設置するジェット部を組み合わせて水を汲み上げる構造になっています。地上部ユニットにはモーター、制御基板などの電装部品、通水路などが組み込まれており、ジェット部は揚水管の末端に取り付けて水中に沈めることで吸水機能を果たします。


今回対象としたポンプの仕様は以下の通りです。

  • ポンプの種類:深井戸用ジェットポンプ
  • メーカー:イワヤポンプ(岩谷)
  • 型式:JPS-300F-50
  • 出力:300W
  • 電源:単相100V


ポンプの現状と症状

現場で確認された症状は、ポンプ運転時および停止時に異音が発生すること、そして地上部ユニット周辺で水漏れが確認されることでした。具体的には以下のような状況です。


  • 回転軸周辺からの水漏れ

モーターの回転力を羽根車に伝える回転軸周囲から水が滲み出しており、羽根車の中心部に設けられたU字型パッキンが劣化していることが原因です。パッキンの密着が不十分になると、貯水部に存在する水が外部に漏れ出します。


  • 羽根車の摩耗や外装部の腐食

羽根車はモーターの回転を受けて水を汲み上げる重要な部品です。鋳鉄製の外装部に覆われており、長年の使用で外装部が腐食すると、パッキンやシール材との接触状態が悪化し、水漏れや異音の原因となります。


  • ベアリングの摩耗

回転軸を支えるベアリングが劣化すると、軸がぶれやすくなり、羽根車やシール材に負荷がかかります。その結果、羽根車と外装部の接触により大きな異音が発生し、水漏れリスクも増加します。


  • 水切板の状態

回転軸周囲には水切板が設置されており、内部から漏れる水が電装部品に直接かからないように設計されています。しかし、長期間の使用で水漏れ量が増すと、水切板の機能だけでは対応できず、電装部品への影響が懸念されます。


使用上の注意点

ジェットポンプは深井戸用に分類されますが、その能力は浅型寄りで設計されているため、井戸水位が低下する季節や複数の水栓を同時に使用する場合には、水圧や水量が十分に確保できないことがあります。そのため、水漏れや異音といった現象が起こると、使用者はポンプの故障や性能低下を疑うことが多くなります。


今回オーバーホール対象となったポンプも、使用開始から数年が経過しており、上記の症状が確認されました。作業では、ポンプを分解して各部品の状態を詳細に点検し、シール材の劣化や外装部の腐食、ベアリングの摩耗など、水漏れの直接的な原因を明確化しました。この点検結果をもとに、修理や交換の判断が行われます。


③ジェットポンプ本体からの水漏れの原因

ジェットポンプの水漏れは、使用者にとって非常に分かりやすいトラブルですが、その原因は複数の内部部品や構造の相互作用によって生じます。本章では、ポンプ内部の仕組みと各部品の役割を踏まえ、どのような条件で水漏れが発生するのかを詳細に解説します。


1. 水漏れの発生メカニズム

ジェットポンプは、モーターの回転力を回転軸を介して羽根車に伝え、水を汲み上げる構造です。ポンプ内部には常に水が貯水されており、羽根車が回転することで貯水部内の圧力が高まり、吸水や送水が可能になります。しかし、この動作によって次のような水漏れが発生します。

  • 回転軸周囲のシール不良

羽根車の中心にはU字型のパッキンやゴム製のシール材が設置されています。長期間の使用でシール材が硬化・摩耗すると、回転軸周囲の密着が不十分になり、水が外部に漏れ出す原因となります。

  • 羽根車と外装部の接触

鋳鉄製の外装部に覆われた羽根車は、外装部の腐食や錆の付着により、回転時に摩擦が生じます。摩擦は異音の原因となるだけでなく、シール材への負荷を高め、水漏れを引き起こします。

  • ベアリングの摩耗による軸ブレ

回転軸を支えるベアリングが摩耗すると、回転軸がわずかにブレるようになります。これにより羽根車と外装部の接触状態が不安定になり、シール材の密着が失われて水漏れが発生する場合があります。


2. 水漏れが発生しやすい箇所

ジェットポンプの水漏れは、特に次の箇所で発生することが多く確認されています。


  • 羽根車の中心部

羽根車の中心部に設けられたU字型パッキン部は、水漏れの最も一般的な発生ポイントです。ここは回転軸が差し込まれる部分で、内部の水圧が直接かかるため、シール材の劣化が水漏れに直結します。

  • 回転軸周囲のベアリング部

ベアリングが摩耗して軸がブレると、羽根車との接触やシール材への負荷が増加します。これにより水漏れだけでなく、大きな異音や振動も発生することがあります。

  • 外装部の内側表面

外装部内部に腐食や錆が生じると、羽根車やシール材と接触する面が不均一になり、水漏れの原因になります。錆や摩耗した表面がシール材に傷をつけることもあり、密着不良を招きます。


3. 水漏れによる影響

水漏れは単に水が外に漏れるだけでなく、次のようなリスクを伴います。


  • 水圧や水量の低下

内部の水が漏れることで貯水部の圧力が不足し、水圧や水量が低下します。これにより、日常生活での水栓使用に支障が出る場合があります。

  • 電装部品への影響

水漏れが地上部ユニット内に飛散すると、モーターや制御基板などの電装部品に水がかかる恐れがあります。最悪の場合、ショートや故障の原因となります。

  • 異音や振動の増加

羽根車と外装部、ベアリングの摩耗による接触で異音が発生します。異音は単なる不快音だけでなく、部品劣化の進行度を示す重要なサインでもあります。


4. 水漏れの修理について

ジェットポンプの水漏れは修理可能ですが、シール材だけの交換では根本的な解決にならない場合があります。外装部の腐食や羽根車の摩耗が進んでいる場合、以下の対応が必要です。


  • シール材交換のみの場合

接触面に付着した錆や汚れを完全に取り除く必要があります。しかし、現実的には錆の除去が難しいため、完全な修理は困難です。

  • 部品の一新(羽根車・外装部・シール材)

外装部や羽根車を含めて周辺部品を交換すると、水漏れを確実に止められますが、修理費用は新品購入と大差がない場合があります。


→オーバーホールでは、緊急時に一定期間使用できるレベルで、最低限の錆除去とシール材交換で対応することもあります。しかし、外装部や固定ボルトの破損が発生すると現状復旧は困難になるケースもあります。そのため、水漏れが発生している場合は、修理よりも交換を検討することが推奨されます。


④水漏れ発生の流れと各部品の役割

ジェットポンプにおける水漏れは、単一の原因だけで発生することはほとんどなく、複数の部品や構造が相互に影響することで起こります。本章では、羽根車・回転軸・ベアリング・水切板・シール材などの主要部品の役割を詳しく解説し、水漏れがどのように発生するのかを順を追って説明します。


1. 羽根車(インペラー)の役割と水漏れへの関与

羽根車は、ポンプ内部で水を吸い上げる重要な部品です。モーターの回転力を受けて回転し、貯水部内の水に圧力をかけ、吸水と送水を可能にします。羽根車周辺は、水漏れが発生しやすい箇所の中心です。


  • 中心部のU字型パッキン

羽根車の中心には回転軸が差し込まれており、U字型のパッキンが設けられています。このパッキンは、羽根車の回転に伴う水圧を封じ込める役割を果たしています。長期間使用によりパッキンが硬化したり摩耗すると、密着力が低下し、水漏れが発生します。

  • 外装部との接触面

羽根車は鋳鉄製の外装部で覆われています。外装部の内部が腐食していたり錆が付着していると、羽根車の回転に抵抗が生じます。この摩擦がパッキンに負荷をかけ、水漏れの原因になります。また、摩擦により異音が発生することもあります。


2. 回転軸とベアリングの関係

回転軸は、モーターの回転力を羽根車に伝える重要な部品です。回転軸はベアリングによって支えられ、軸のブレを防いでいます。しかし、ベアリングの摩耗や劣化が進むと軸がわずかにブレるようになります。


  • 軸ブレによるシール材負荷

軸がブレることで、羽根車周辺のパッキンやシール材が均一に密着しなくなります。これにより、水圧がかかるとシール不良から水が漏れ出すことがあります。

  • 摩耗による異音発生

軸ブレは異音の発生源ともなります。使用者はこの異音を「ポンプが壊れたかもしれない」と感じやすく、問い合わせが増える要因のひとつです。


3. 水切板の役割

水切板は、羽根車付近に設けられた部品で、内部から漏れ出した水が直接モーターや電装部品にかからないようにするための防御装置です。水切板があることで、多少の水漏れがあっても電装部品への影響を最小限に抑えることができます。


  • 水切板の限界

水漏れ量が多い場合や羽根車・シール材の摩耗が進行している場合には、水切板でも水を完全に防ぐことはできません。その場合、周囲に水が飛散し、ショートや故障のリスクが高まります。


4. 水漏れ発生の典型的な流れ

ジェットポンプの水漏れは、次の流れで発生することが一般的です。

  1. モーターが回転する
  2. 回転力が回転軸を通して羽根車に伝わる
  3. 羽根車が回転し、貯水部内の水圧が上昇する
  4. 回転軸周囲のシール材やパッキンが劣化・摩耗している場合、水が外部に漏れ出す
  5. 羽根車と外装部の接触、ベアリングの摩耗、錆の影響により漏れが拡大する
  6. 水切板で一部防御されるが、漏れ量が増えると地上部ユニット周辺に水が飛散する


5. 水漏れと運転性能の関係

水漏れは、ポンプの能力低下と直接的に関連しています。貯水部の圧力が外部に逃げるため、水圧や水量が低下します。これにより、日常生活での複数水栓使用時に水圧不足が発生することがあります。また、漏れによってモーターや制御基板に水がかかると、運転停止やショート故障のリスクが高まります。


⑤各部品の劣化症状と水漏れのサイン

ジェットポンプの水漏れは、使用年数や運転条件に応じて徐々に進行するケースが多く、早期発見が重要です。ここでは、主要部品ごとに劣化の兆候と水漏れのサインを整理します。


1. 羽根車(インペラー)の劣化症状

  • 異音の発生

羽根車と外装部の接触により、摩擦音や金属音が発生します。使用者はこれを「ポンプが壊れそう」と感じることがあります。

  • 回転不良

錆や汚れが羽根車の回転を阻害すると、羽根車がスムーズに回らず水圧不足が生じます。

  • 水漏れ

羽根車中心部のU字型パッキンが摩耗すると、水圧に耐えられず水が回転軸周囲から漏れ出します。


2. 回転軸・ベアリングの劣化

  • 軸ブレ

ベアリングが摩耗すると回転軸がわずかにブレ、シール材に不均一な圧力がかかります。これにより水漏れや異音の原因となります。

  • 異音

軸とベアリングの摩耗によって異音が増加します。特に回転開始直後に「キュルキュル」とした音がする場合は要注意です。


3. シール材・パッキンの劣化

  • 硬化・亀裂

長期間使用されたパッキンは硬化して弾力を失い、亀裂や密着不良が生じます。

  • 漏水の発生

水圧がかかるとシール材の隙間から水が漏れ、地上部ユニットや台座に水滴が落ちることがあります。


4. 水切板の役割と限界

水切板は漏れた水が電装部に到達するのを防ぐための保護板です。しかし、漏水量が増大すると水切板だけでは防ぎきれず、モーターや制御基板に水がかかる可能性があります。


⑥水漏れを防ぐための点検・保守方法

水漏れを未然に防ぐには、定期的な点検と部品の状態確認が重要です。

1. 定期点検のポイント

  • 羽根車の回転確認

回転がスムーズか、異音がないか確認します。摩耗や錆の兆候があれば早期交換を検討します。

  • シール材・パッキンの確認

劣化や硬化の有無をチェックし、必要に応じて交換します。

  • 回転軸・ベアリングのチェック

軸のブレやベアリングの摩耗がないか確認します。異音の原因にもなるため、異常を感じた場合は早めの対応が重要です。


2. 清掃・潤滑

羽根車周辺や回転軸の錆・汚れを定期的に清掃し、必要に応じて潤滑油を適切に補充します。これにより摩擦による異音や水漏れのリスクを軽減できます。


3. 緊急対応のポイント

  • 水漏れが発生した場合は、無理に運転を続けず、ポンプを停止して原因を確認します。
  • パッキン交換やシール材補修で対応可能な場合もありますが、外装部や羽根車本体の腐食が進んでいる場合は、修理よりも交換を検討する方が安全です。


⑦実際のオーバーホール事例

当社で行った深井戸用ジェットポンプのオーバーホールでは、以下のような状況が確認されました。

  1. 羽根車の中心部U字型パッキンが硬化しており、水漏れの原因となっていた
  2. 回転軸周囲のベアリングが摩耗し、羽根車回転時に異音を発生
  3. 羽根車外装部とポンプ外装部の接触面に錆が付着
  4. 水切板があるものの、漏水量増加により台座周辺に水が飛散していた


→これらの結果、最終的にはパッキン交換と簡易的な清掃によって短期間の緊急使用は可能となりましたが、長期的な運転を考慮すると外装部を含めた部品一式の交換が推奨されました。


⑧オーバーホール作業の実際

水漏れが発生したジェットポンプの地上部ユニットをオーバーホールする際は、以下の工程を基本としています。ここでは、作業過程の理解を深めるために各ステップのポイントを詳しく解説します。

①ポンプ本体の分解

  • 地上部ユニットを井戸から取り外し、モーター部、羽根車、シール材を順に分解
  • 分解時には回転軸の位置や羽根車の向き、ボルトやナットの締め付け順序を記録しておく
  • 錆や汚れの付着状況を写真やメモで記録することで、今後の点検や部品交換に役立つ

②各部品の清掃・点検

  • 羽根車や回転軸、外装部に付着した錆や汚れを取り除く
  • シール材やパッキンは劣化状況を確認し、必要に応じて交換
  • ベアリングは回転滑らかさを確認し、摩耗や軸ブレが見られる場合は交換の検討

③部品の組み付けと調整

  • 羽根車と回転軸を正確に嵌合させ、シール材との接触面を確認
  • モーター部と羽根車が正確に連動するか、手で回転させて動作確認
  • 組み付け後は、漏水がないか軽く通水試験を行う

④運転試験と最終確認

  • 井戸に戻して実際に運転し、水圧、水量、異音の有無を確認
  • 異常が見られれば再度分解し、原因部品を特定
  • 正常動作を確認できた場合はオーバーホール作業完了


⑨ジェットポンプの水漏れ原因

ジェットポンプからの水漏れは、主に以下の要因で発生します。

  • 羽根車(インペラー)周辺

 - 回転軸との接続部分にシール材(パッキン)があり、水漏れを防ぐ

 - シール材の劣化や錆の付着により密着不良が生じると水漏れが発生

  • 回転軸・ベアリング部

 - 軸ブレや摩耗が発生すると羽根車との接触が増え、漏水や異音の原因となる

  • 外装部の腐食

 - 鋳鉄製の外装部に錆が発生すると、シール材の効果が低下し、水漏れが進行

  • 水切板の劣化

 - 内部からの漏水を受け止め、電装部に水が飛散しないよう設置されている

 - 破損や変形がある場合、飛散防止能力が低下する


⑩部品ごとの点検ポイントと水漏れ修理・交換の判断

ジェットポンプの水漏れは、軽度のものから深刻なものまで幅があります。水漏れの原因を理解したうえで、各部品の状態を定期的に確認することは、維持管理や修理判断において非常に重要です。以下では、部品ごとのチェックポイントや管理上の目安と、発生した水漏れの程度に応じた対応の指針を解説します。


1. 羽根車(インペラー)

  • チェックポイント:回転時の異音、錆や摩耗の有無、水圧低下の兆候
  • 管理の目安:外装部との接触面に錆や摩耗が見られる場合は、パッキン交換だけでの対応は難しく、部品一式の交換を検討することが望ましい
  • 備考:羽根車は水を汲み上げる主要部品であり、回転軸との接続が正しくないと異音や水漏れの原因となります


水漏れ修理・交換の判断:

羽根車の外装部や回転軸の摩耗が軽度であれば、オーバーホールによる清掃とパッキン交換で改善可能です(軽度の水漏れ)。摩耗や錆が中度の場合は複数部品を交換する必要があり、完全復旧には高度な作業が求められます(中度の水漏れ)。損傷が著しい場合は、ポンプ本体の交換を推奨します(重度の水漏れ)。


2. 回転軸・ベアリング

  • チェックポイント:軸ブレの有無、回転時の異音
  • 管理の目安:軸がぶれる、またはベアリングの摩耗が進んでいる場合は、羽根車との接触が増え、水漏れや異音の原因になります。早期に点検し、必要に応じて交換を検討してください
  • 備考:回転軸の安定性は羽根車のスムーズな動作に直結します


水漏れ修理・交換の判断:

ベアリングや軸の摩耗が軽度であれば、清掃や軸受けの交換で対応可能です。摩耗が進行している場合は、羽根車や回転軸と連動する部品の交換も必要になり、修理作業が複雑化します。軸やベアリングが破損している場合は、修理では対応困難なケースが多く、ポンプ本体の交換を検討してください。


3. シール材・パッキン

  • チェックポイント:硬化、亀裂、密着不良
  • 管理の目安:劣化が軽度であれば交換で対応可能ですが、外装部の錆や摩耗がある場合は長期使用には不向きです
  • 備考:シール材は水漏れを防ぐ重要な部品であり、定期的な点検が必要です


水漏れ修理・交換の判断:

シール材のみの劣化であれば交換により水漏れは改善されます。外装部の錆や摩耗が進んでいる場合は、シール材交換だけでは改善されず、修理の効果は一時的です。この場合は部品一式の交換またはポンプ本体の交換を検討することが望ましいです。


4. 水切板

  • チェックポイント:破損や変形、漏水防止能力の低下
  • 管理の目安:水漏れ量が増えている場合は、水切板だけでは防ぎきれない可能性があります。羽根車やシール材と併せて点検することが望ましい
  • 備考:水切板は、モーターや電装部に水が飛散しないよう設置されている重要部品です


水漏れ修理・交換の判断:

水切板の変形や破損が軽度であれば、清掃や部分交換で改善できることがあります。しかし、羽根車やシール材に問題がある場合、単独での交換では十分な防水効果が得られず、水漏れが再発するリスクがあります。この場合は、関連部品も含めた修理、またはポンプ本体の交換を検討してください。


⑪定期点検と水漏れ管理の現実的な考え方

ジェットポンプの地上部ユニットで発生する水漏れは、軽微なものから深刻なものまで幅があります。分解を伴う点検を行う場合、多くの部品交換が必要となるため、ユーザー自身が簡単に修理できるケースは限られます。そのため、日常管理では兆候の把握を中心に考え、異常が見られた段階で専門業者によるオーバーホールや修理を依頼するのが現実的です。

1. 日常的に確認できるポイント

日常的にユーザーが確認できるのは、あくまで外観や運転状況からの兆候です。以下のポイントを把握しておくことで、早期に異常を発見できます。


  • 外観の湿りや水漏れの有無

地上部ユニット周囲に水滴や湿りが見られる場合、内部のシール材や羽根車周辺の摩耗・劣化が考えられます。目視での確認が最も基本的な兆候把握です。

  • 運転時の異音の有無

モーターが回転する際に異音が発生する場合、回転軸や羽根車、ベアリングの摩耗や錆が原因の可能性があります。音の変化は水漏れや将来的な故障の前兆として重要です。

  • 水圧・水量の変化

日常使用時に水圧や水量が徐々に低下している場合、内部部品の摩耗や井戸水位の低下の影響が考えられます。特に複数水栓を同時に使用した際に著しく低下する場合は要注意です。


2. 水漏れの程度と対応策

ジェットポンプの水漏れは、軽度、中度、重度に分けることで、対応方法が明確になります。


①軽度の水漏れ

  • 症状の例:微細な水滴の発生のみ、異音はほとんどなし。
  • 原因の可能性:シール材の部分的劣化や微細な錆の付着。
  • 対応策:オーバーホールで清掃とシール材交換を行えば改善が期待できます。ただし、外装部の錆や摩耗が進んでいる場合は根本的な解決にならないこともあります。

②中度の水漏れ

  • 症状の例:小量の漏水、回転時に軽い異音が発生、水圧が一部低下。
  • 原因の可能性:羽根車外装部や回転軸の摩耗、錆の進行。
  • 対応策:複数の部品交換を伴うオーバーホールが必要です。作業費用や時間を考慮して判断する必要があります。また、完全復旧には高度な作業が求められます。

③重度の水漏れ

  • 症状の例:大量の漏水、モーター部への水侵入、運転不能。
  • 原因の可能性:外装部の腐食や羽根車の損傷が著しい場合。
  • 対応策:シール材交換や清掃だけでは水漏れを止められず、再発リスクが高いため、ポンプ本体の交換を推奨します。


3.現実的な管理・点検の考え方

  • 日常的な兆候把握に重点を置く

ユーザーが行えるのは、外観チェックや運転中の異音、水圧・水量の変化の確認に留まります。内部分解や部品交換を伴う作業は専門技術を必要とするため、無理に分解することは避けます。

  • 異常を感じたら専門業者に依頼

兆候が見られた段階でオーバーホールや修理を依頼することで、重大な故障や再発を防ぐことができます。

  • 定期的なメンテナンススケジュール

オーバーホールの目安は使用年数や運転時間に応じて、概ね5~10年程度です。長期間使用したポンプでは、軽微な兆候であっても複数部品の劣化が進んでいることが多く、早めの対応が重要です。


⑫実際の使用上の注意点

オーバーホール後、または新規設置時には以下の点に注意することで、水漏れや故障リスクを低減できます。

①定期的な点検

  • 年に1~2回、羽根車・回転軸・シール材の状態を確認
  • 汚れや錆が目立つ場合は清掃や部品交換を早めに行う

②異音や振動の監視

  • 運転中に異音が発生した場合は、すぐに運転を停止
  • 軸ブレやベアリング摩耗が原因の場合、放置すると水漏れやモーター故障につながる

③水圧・水量の確認

  • 日常の使用で水圧低下が見られた場合、水漏れやポンプ能力低下を疑う
  • 水圧不足が頻繁に起こる場合は、ポンプや揚水管の点検が必要

④冬季や長期間使用停止時の対応

  • 凍結防止のため、貯水部や配管内の水抜きを行う
  • 長期不使用時はシール材や羽根車に錆が発生しやすいため、再起動前に清掃・点検


⑬まとめ

深井戸用ジェットポンプの水漏れは、主に羽根車中心部のシール材や回転軸・ベアリングの劣化、外装部の腐食が原因です。放置すると水圧低下や電装部への影響が出ることがありますが、定期点検とオーバーホールを実施することで安定した運転を維持できます。


使用者は以下のポイントを押さえておくと安心です。

  • 異音や水漏れの兆候が現れたら早めに点検
  • 羽根車・回転軸・ベアリング・シール材の状態を確認
  • 部品交換やオーバーホールの判断を適切に行う
  • 長期使用や水位変動がある場合は特に注意


定期的なメンテナンスと状況に応じた部品交換により、深井戸用ジェットポンプの長期安定運転が可能となります。



⑭さいごに

ジェットポンプの地上部ユニットで発生する水漏れは、軽微なものから深刻なものまで幅があります。分解を伴う点検や修理が必要となる場合が多いため、ユーザー自身での完全な修理は難しく、兆候の把握と専門業者への相談が現実的かつ安全な管理方法です。


日常管理では、外観の湿りや水漏れ、運転中の異音、水圧や水量の変化といった目に見える兆候を定期的に確認することが重要です。これにより、初期段階で異常を発見し、重大な故障や修理費用の増加を防ぐことができます。


また、症状の程度に応じた対応方法を理解しておくことで、軽微な水漏れであれば清掃やシール材交換で改善が期待できる一方、中度・重度の水漏れでは複数部品の交換やポンプ本体の交換が必要になることもあると認識できます。こうした知識は、ポンプの寿命を延ばし、安全で安定した水の供給を維持するために役立ちます。


最後に、ジェットポンプのオーバーホールや修理は専門技術を必要とする作業です。兆候が見られた場合は無理に分解せず、信頼できる専門業者に依頼することが最も安全で確実な方法です。本記事が、使用者の皆様がジェットポンプの状態を把握し、適切な対応を行うための参考になれば幸いです。



各種写真の紹介

↓分解状況(全体)



↓ポンプの外装部。この中に羽根車が収納され、水が貯水されます。



↓ポンプの外装部(中央上)と羽根車の外装部(中央下)羽根車(右下)

※羽根車は、羽根車の外装部(左下)とポンプの外装部(中央上)に挟み込まれる様に設けられます。

※羽根車やポンプの外装部は鋳鉄製のため、錆が付着します。

※錆と羽根車が接触することで、回転時に大きな音を出します。最終的には羽根車自体が回転出来なくなります。

※モーターの回転軸に設けられているベアリング部品が劣化すると、錆と羽根車の接触と同様に回転時に大きな音を出します。



↓モーターの内部



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