【注意喚起シリーズ 第3回】 エコキュートの湯が減る・保温できない原因|安全弁・排水弁の誤作動に注意|エコキュート編

エコキュート内部の弁の不具合が引き起こす“見えない湯減り”に注意

――井戸ポンプが動き続ける、水道が流れっぱなしになるときの原因と確認ポイント――


⬛ 本記事は「注意喚起シリーズ」第3回です。(エコキュート内部構造編)

冬場になると、「お湯が減っている」「タンクが保温されない」「ポンプが夜中も動いている」といったお問い合わせが増えます。これらの現象の中には、設定ミスや制御停止ではなく、安全弁や排水弁といった内部部品の誤作動・不具合が関係しているケースがあります。


エコキュートはガス給湯器と異なり、電磁弁やセンサーなどの電子部品が多く搭載されており、一部の不具合が他の制御や動作に影響を及ぼす構造です。そのため、弁がわずかに閉じきらないだけでも、タンクの湯が減り続け、保温や沸き上げが停止してしまうことがあります。


本記事では、こうした「実際に壊れているケース」を整理し、誤認されやすい設定トラブルとの違いを解説します。




🟩 エコキュートに搭載される弁の役割

エコキュートには、主に次の2種類の弁が搭載されています。いずれも圧力や水位を自動制御する重要な部品であり、不具合が起こるとタンク内の湯が勝手に排出されることがあります。



🟦 安全弁(圧力逃し弁)

タンク内部の温度や圧力が上昇した際に作動し、圧力を逃がす役割を持ちます。しかし、一度作動したあとにスプリングやパッキンが変形して戻らなくなると、水が少しずつ流れ続ける状態になります。



🟦 排水弁(電磁弁)

タンク洗浄やリフレッシュ運転の際に一時的に開き、内部の湯を排出します。制御信号の異常や弁の固着によって開いたままになると、タンクの湯が延々と排出され続ける状態になります。



🟦 まとめ

これらは外から見えない箇所で自動的に作動するため、ユーザーには異常が分かりにくいのが特徴です。




🟩 実際に起こる症状

安全弁・排水弁が誤作動した場合、現場では次のような症状が見られます。


  • 夜間に「シュー」「ゴボゴボ」といった排水音が続く
  • 翌朝になるとリモコンの湯量が著しく減っている
  • 「沸き上げ中」表示のまま進まない、または「保温停止」エラーが出る
  • 井戸ポンプが間欠運転を繰り返す、水道メーターのパイロットが止まらない
  • 給湯していないのに、排水口や排水ホースから常に水が出ている



🟦 外からは見えない内部排出のサイン

これらの現象は、一見すると外部漏水や配管トラブルのように見えますが、実際はエコキュート本体内部で湯が排出されているケースが多くあります。タンク内で発生した圧力の逃げや弁の閉まり不良によって、機器下部の排水口やドレンホースからごく少量ずつ湯が流れ続けるため、屋外では水溜まりもできにくく、外観上は異常が分かりにくいのが特徴です。


見た目に変化がなくても、内部では保温水が失われており、時間とともに湯量が減少していきます。



🟦 まとめ

これらの症状は外部漏水と誤解されやすく、見た目で判断するのは危険です。排水音や湯量の減少など、複数の兆候を合わせて確認することが重要です。




🟩 誤作動と故障の違い

見た目が同じ現象でも、エコキュートでは「誤作動」と「故障」で意味が異なります。



🟦 誤作動とは

センサーや制御信号の一時的なズレで弁が正しく動かない状態です。電源の入れ直しや再起動で直ることがあります。



🟦 故障とは

部品そのものが壊れて動かなくなる状態です。バネの変形やパッキン劣化、電磁弁の焼損などが該当し、交換が必要です。



🟦 よくある症状

1️⃣ 安全弁が閉じずに水が止まらない

部品のバネやパッキンが変形しており、機械的な故障です。交換が必要です。


2️⃣ 排水弁が固着して開いたまま

制御信号の異常、または弁の固着によるもので、誤作動または故障のどちらかが考えられます。点検が必要です。


3️⃣ 湯量が減って保温が止まる

 弁が閉じずに水位が下がり、安全装置が作動して停止している状態です。弁不良の可能性が高く、要点検です。



🟦 まとめ

誤作動は一時的、故障は恒常的。どちらも設定では直らず、判断には点検が必要です。




🟩 放置による二次被害

弁の誤作動を放置すると、想像以上に広範な影響を及ぼします。


  • 通水が止まらず、水道水・井戸ポンプいずれも連続運転状態になる
  • タンクが空に近い状態でヒートポンプが作動し、熱交換器の空焚きを引き起こす
  • 電磁弁が焼損し、制御基板やセンサーまで波及する
  • 長時間の空運転により、ポンプモーターや圧力スイッチが故障
  • ヒーター配線の過熱や漏電遮断器作動など、安全リスクにも発展する



🟦 まとめ

被害は放置するほど拡大し、修理費も増加します。早期の点検・交換によって、制御基板やヒートポンプなど高額部品の損傷を防ぐことができます。




🟩 確認と依頼のポイント

安全弁や排水弁の異常は外からは見えにくく、外部漏水と誤解されやすい現象です。慌てて給湯器や配管を疑う前に、次の順序で落ち着いて確認してみてください。


1️⃣ リモコンで湯量表示やエラー表示を確認する

2️⃣ 機器下部や排水パイプから水が常に出ていないかを観察

3️⃣ 夜間・無使用時でもポンプやメーターが動き続ける場合

4️⃣ 自分で分解や部品操作は行わず、メーカーまたは施工業者へ連絡



🟦 症状を伝える際のチェック項目

症状を伝える際は、次の内容をあわせて伝えてください。

  • 湯量変化のタイミング(いつ減ったか)
  • 排水音や流れの有無
  • 表示パネルの状態(エラー表示の番号)



🟦 まとめ

確認手順を守ることで誤診や無駄な修理を防げます。外部漏水との見分けをつけ、確実に依頼できるよう整理しておきましょう。




🟩 まとめ

エコキュートの湯減りや保温停止は、誤操作だけでなく、安全弁や排水弁の誤作動・故障によっても発生します。ガス給湯器と異なり、エコキュートは電子制御と複数の弁で構成されており、ひとつの不具合が機器全体に波及することがあります。特に井戸ポンプ併用家庭では、「ポンプが止まらない」「朝だけ水が出ない」といった異常が内部の弁トラブルによって引き起こされる例が多く見られます。


気づいた時点で早めに点検を依頼し、弁やセンサーを適切に交換することで、ヒートポンプやポンプ本体の二次故障を防ぐことができます。



🕓 更新日:2025年12月8日

※ 本記事は家庭用エコキュートを対象としています。

※ 部品構造や制御内容はメーカー・型式によって異なります。

※ 安全弁・排水弁の交換には専門業者による対応が必要です。

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