エコキュートとガス給湯器の凍結防止機能の違い|冬季トラブルを防ぐための仕組みと注意点
――「冬の朝、お湯が出ない」「追い焚きが動かない」ときに確認してほしいポイント――
⬛ 本記事は「注意喚起シリーズ」第4回です。(凍結防止制御の比較編)
冬になると「朝お湯が出ない」「夜中にポンプが動いている」といった相談が多く寄せられます。多くのケースは故障ではなく、内部で作動している防凍制御によるものです。エコキュートとガス給湯器では凍結を防ぐ仕組みが異なります。
ここでは両者の特徴を整理し、冬季トラブルを避けるための注意点をまとめます。
🟩 エコキュートの凍結防止
エコキュートは電気ヒーターと循環ポンプによって配管やタンクを保温し、外気温の低下による凍結を防ぐ構造を持っています。
外見上は静かでも、内部では複数の制御が自動的に連動しています。
この章では、凍結を防ぐ仕組みと注意点、運転を維持するための基本を解説します。
🔷 仕組み
エコキュートは外気温が下がると自動で通電・循環を行い、配管やタンクの凍結を防ぎます。外見上は静かでも、内部ではいくつかの制御が連動しています。
1️⃣ 外気温が2〜3℃を下回ると、ヒーターが自動で通電し、タンクや配管の温度を一定に保ちます。
2️⃣ 浴槽に水が残っていると、ポンプが短時間だけ作動して水を動かし、配管内の凍結を防ぎます。
◾️ポイント
この制御は電気ヒーターとポンプによる静的な保護であり、冷媒を使った加熱運転は行われません。通電が止まると防凍機能も停止し、露出配管では凍結が発生するおそれがあります。
🔷 特 徴
エコキュートは燃焼を使わず、電気ヒーターとポンプで温度を保つ「静的制御方式」です。静音性と省エネ性に優れる一方、電源停止時は防凍制御が働かない弱点があります。
1️⃣ 動作音がほとんどなく、夜間も静か。
2️⃣ 電源が切れていると防凍制御が停止する。
3️⃣ 屋外配管は制御対象外のため、断熱材や防凍ヒーターで補う必要がある。
◾️ポイント
静かで省エネな制御ですが、停電時や露出配管では凍結のリスクが残ります。防凍効果を保つには、通電と物理的な断熱の両方を維持することが重要です。
🔷 要 点
防凍制御は自動で働きますが、効果を発揮するには条件を満たすことが前提です。
1️⃣ 電源を入れたままにする。
2️⃣ 浴槽に水を残して循環経路を確保する。
3️⃣ 屋外配管は断熱または防凍ヒーターで保護する。
◾️ポイント
電源と循環が揃って初めて効果が発揮されます。通電維持と露出部の保温が凍結防止の基本です。
🟩 ガス給湯器の凍結防止
ガス給湯器は燃焼と循環ポンプを組み合わせた動的な制御方式で、外気温の変化に応じて自動的に防凍運転を行います。
エコキュートより積極的に動作するため、寒冷地でも安定して作動します。
🔷 仕組み
外気温が3℃を下回ると自動的に循環運転を開始し、必要に応じて燃焼を加えて配管を温めます。浴槽に水が残っている場合は、循環水によって配管全体が守られます。
1️⃣ 浴槽に水がないとポンプが空転し、燃焼が停止して内部ヒーターのみが作動。
2️⃣ 外部配管の保護は限定的となり、凍結しやすくなる。
◾️ポイント
燃焼とポンプを併用する動的制御は強力ですが、浴槽の水が抜けていると効果が弱まります。水を残しておくことが凍結防止の前提です。
🔷 特 徴
動作音は多少ありますが、気温の変化に強く、マイナス気温でも安定します。
燃焼熱を使うため凍結防止能力が高い反面、循環が止まると能力が落ちます。
1️⃣ 循環が確保されているときは強力な防凍性能を発揮。
2️⃣ 水がない状態では燃焼が停止し、外部は守れない。
◾️ポイント
ガス給湯器は「動かして守る」仕組みです。浴槽の水を残し、循環経路を確保することで凍結を防げます。
🔷 要 点
動的制御の性能を維持するには、循環を止めずに運転を継続することが必要です。
1️⃣ 浴槽の水位を循環口より上に保つ。
2️⃣ 電源を切らず、設定温度を低温で維持する。
3️⃣ 露出した給湯・追い焚き管は断熱を徹底する。
◾️ポイント
条件が揃えば強力な防凍性能を発揮します。循環を途切れさせないことが最も重要です。
🟩 よくある誤解と確認点
凍結防止制御の動作を「異常」と誤解して停止するケースが多く見られます。
ここでは、誤判断を防ぐための確認項目を整理します。
🔷 誤判断の例
夜間にポンプが動いたり短時間の作動音がするのは、防凍制御が正常に動いている証拠です。
これを「故障」と判断して電源を切ると、翌朝には凍結して水が出なくなる場合があります。
◾️ポイント
ポンプ音や短時間の動作は正常動作です。防凍制御は止めずに維持してください。
🔷 確認の手順
1️⃣ 屋外配管には断熱材や防凍ヒーターを設置する。
2️⃣ 浴槽の水位を循環口より上に保つ。
3️⃣ ブレーカーを切らず、電源を入れたままにする。
◾️ポイント
防凍制御は機器内部中心で、屋外配管までは完全に守れません。露出部の断熱と通電維持が不可欠です。
🟩 冬季に守るべき基本
防凍機能が正しく働くためには、基本的な条件を守ることが最も効果的です。
🔷 凍結を防ぐ3つの行動
1️⃣ 浴槽に水を残し、循環口を水没させる。
2️⃣ 屋外配管を断熱材や防凍ヒーターで保護する。
3️⃣ 電源を切らずに通電状態を保つ。
◾️ポイント
これらを守ることで、ほとんどの凍結トラブルは未然に防げます。凍結した場合は、無理に運転せず自然解凍を待つのが安全です。
🟩 まとめ
冬季におけるエコキュートとガス給湯器の防凍制御は、いずれも自動で作動しますが、作動条件や効果の範囲には明確な違いがあります。
この章では、どちらがどのような場面に強く、どこに注意すべきかを整理します。家庭の設備環境に応じた対策を理解することで、凍結によるトラブルを事前に防ぐことができます。
🔷 凍結防止機能の違いと安全な使い方
エコキュートは電気ヒーターと循環ポンプを使って配管を温める「静的防凍制御」です。ヒーターで温度を保ち、短時間の循環で配管内を動かすため、静かで省エネですが、停電や露出配管では凍結を防ぎきれない弱点があります。
一方、ガス給湯器は燃焼とポンプを併用した「動的防凍制御」を採用しています。気温の低下を検知すると燃焼熱で水を動かし、配管全体を守ります。寒冷地にも強い仕組みですが、浴槽の水が抜けていると循環できず、効果が落ちます。
両者に共通しているのは、「制御は自動でも、条件が整わなければ機能しない」という点です。電源を切らずに通電を保ち、浴槽に水を残し、屋外配管を断熱材で守る。これがすべての凍結防止の基本です。
◾️ポイント
1️⃣ エコキュートは「静かで省エネだが停電に弱い」。
2️⃣ ガス給湯器は「寒冷地に強いが水がないと止まる」。
それぞれの特性を理解し、自宅の環境に合わせた使い方を意識することで、冬季の凍結トラブルは確実に防げます。
🕓 更新日:2025年12月予定
※ 本記事は家庭用エコキュートおよびガス給湯器を対象としています。
※ 凍結防止機能の動作範囲はメーカーや設置環境によって異なります。

