千葉市若葉区|漏水調査事例|トレーサーガスで5箇所の漏水を特定&修理|築50年超の戸建て住宅
🟩 施工事例:千葉県千葉市若葉区|地表面に表れない微量の水漏れ5箇所を、トレーサーガス調査で特定&修理
◾ 千葉県千葉市若葉区|戸建|非分譲地|農地|井戸水|生活用水|農地散水用
◾ 漏水の数 : 5箇所
◾ 機器の不具合 : 洗濯機水栓
◾ 調査日数 : 5日間
はじめに
本事例は、千葉県千葉市若葉区の非分譲地に建つ築50年超の戸建て住宅で実施した漏水調査・修理の記録です。母屋・離れ・農地を含む広大な敷地に水道管が張り巡らされ、さらに井戸水を生活用水と農地散水の両方に利用しているという複雑な環境でした。
配管経路は図面がなく不明で、地盤の水はけが良いため漏水が地表に現れにくいという条件が重なり、一般的な調査では特定が困難でした。実際に電気代の急増や井戸ポンプの常時稼働といった異常が発生し、ポンプ設置業者による点検で「漏水が原因」との判断が下されたものの、他社からは「井戸水配管は対応外」「ポンプが止まらない状況では調査困難」と断られていました。
最終的に当社へご依頼をいただき、音聴調査とトレーサーガス調査を併用する二段構えで調査を実施。結果として、地表には現れない微量漏水を含む5箇所を順次特定し、修理を行いました。本報告では、その経緯と実際の対応内容を詳しくご紹介します。
🟩 現場状況
現場は、母屋・離れ・農地にわたり多くの水栓や給水設備が設置されていました。築年数も古く、配管の劣化が進んでいることが予想される環境でした。
◾ 母屋(戸建て住宅:平屋)
① トイレ1箇所
② 洗面化粧台1箇所
③ 手洗い用流し台1箇所
④ 浴室
⑤ 洗濯機水栓
⑥ 台所
⑦ 給湯器
◾ 離れその他
① 台所1箇所
② 水栓柱1箇所 など
◾ 屋外設備(農地含む)
・ 外水栓柱4箇所
◾ 築年数
・ 50年超
🟩 ご依頼の内容
漏水調査と修理
🟩 ご依頼の背景
非分譲地に建つ築50年超の戸建て住宅で、住居敷地と農地が道路を挟んで分かれ、広大な敷地に水道管が張り巡らされています。配管経路は図面がなく不明で、さらに土質が良いため漏水が地表に現れないという条件が重なっていました。こうした状況下で、異常が発生したのをきっかけに当社へのご依頼となりました。
依頼に至った流れ
▪️ 電気代が急増し、井戸ポンプが止まらないという異常が発生。
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▪️ 井戸ポンプ設置業者が点検を実施 → ポンプ本体に異常はなく、常に稼働し続けていることを確認。
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▪️ 点検の結果、漏水が原因で井戸ポンプが動き続けていると結論づけられる。
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▪️ 広大な敷地で配管経路も不明なため、専用機器による調査でないと特定は困難と判断。施主様が漏水調査を決断。
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▪️ 複数の調査会社に相談するも「井戸水配管は対応外」「ポンプが止まらない状況では調査困難」として断られる。
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▪️ 最終的に当社が対応可能との判断で、正式に調査依頼をいただく。
🟩 調査の流れ
まずは音で漏水の手がかりを探り、その後にトレーサーガスを用いて目に見えない漏水を浮かび上がらせるという二段構えで調査を進めました。井戸ポンプの動きを確認した時点で「どこかで確実に漏れている」という前提で臨んでいます。
▪️ 音聴棒・路面マイクを使い広範囲を調査 → 外観や音の手がかりは得られず。
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▪️ 井戸ポンプの動水圧は0.43MPa。ポンプを停止するとすぐに0MPaまで低下し、大量の漏水が疑われる。
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▪️ 音だけでは特定が難しいため、トレーサーガス調査に切替。
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▪️ 以降は音調調査(路面/管体)とトレーサーガスを状況に応じて使い分け、各漏水箇所を一つずつ特定していった。
🟩 漏水箇所ごとの特定と修理
調査と修理は一箇所ずつ順番に進めました。3箇所目はトレーサーガスでは反応が出なかったため音で特定しました。5箇所目は修理のあとに水圧検査も行っており、その結果はこのあとで説明します。
◾ 1箇所目 : 洗濯機水栓(屋内)
▪️ 調査 : 水栓系へガス充填 → 洗濯機水栓で反応。
▪️ 修理 : 分解点検でハンドル・スピンドル劣化を確認 → 部品交換で止水。
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◾ 2箇所目 : 農地内 外水栓ルート(埋設管)
▪️ 調査 : 外水栓柱周辺でガス反応を検知 → 反応域を絞り掘削。
▪️ 修理 : エルボ継手の亀裂を目視確認 → 継手交換・復旧。
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◾ 3箇所目 : 住居敷地内 外流し台周辺(埋設管)
▪️ 調査 : ガス反応はゼロ(無反応)。一方、路面音聴・管体音聴で漏水音を聴取。
▪️ 修理 : 音調結果に基づきコンクリートを部分破壊 → 掘削 → エルボ継手漏水を特定 → 修理 + 外水栓柱交換 + コンクリートブロックの復旧。
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◾ 4箇所目 : 花壇下(埋設管・深埋設)
▪️ 調査 : 施主様ヒアリングで配管ルートを修正。花壇下でガス反応 → 掘削。
▪️ 修理 : チーズ継手の漏水を目視確認 → 重機で修理。将来の切り分け・診断用に幹線へバルブ新設。
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◾ 5箇所目 : 母屋外周 犬走下(埋設管)
▪️ 調査 : コンクリート破壊 → 掘削でソケット継手の漏水を目視確認。
▪️ 修理 : 当該箇所を修理し、コンクリート復旧。
▪️ 考察 : 「一箇所直すと次の弱点が出る」典型で、配管全体の老朽化を示唆。全面更新が理想だが現実制約により、調査と局所修理の繰り返しで対応。
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◾ 6箇所目以降 : 調査中止。
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◾ 配管系統の区分作業
調査の最終段階で、分岐部や農地側にゲートバルブを設置し、配管経路を区分。今後の調査や漏水対策を進めやすい体制とした。
① この作業の結果、下記の運用となる。
▪️ 農地側のバルブ → 「 常時 閉 」。使用時のみ開栓して散水作業を実施。
▪️ その他のバルブ → 「 常時 開 」。漏水が発生した際には、系統ごとに閉栓して被害を抑える運用としました。
② 追加したバルブは以下の通り。
▪️ 1つ目のバルブ : 家屋以外がすべて止水となるバルブ。外流し・外水栓柱・農地で漏水が発生した場合に被害を抑制。
▪️ 2つ目のバルブ : 敷地中間の分岐部に設置。1つ目と同様に、外流し台・水栓柱・農地を止水可能。
▪️ 3つ目のバルブ : 外流し台専用の止水バルブ。外流しに繋がる管で漏水が生じた場合に限定的に止水可能。
▪️ 4つ目のバルブ : 敷地境界部に設置。農地に繋がる配管を制御し、農地全体を止水可能。
🟩 調査中止と今後の対応
漏水箇所が多すぎたため、施主様の判断で調査は途中で終了しました。ただし、現実的な対策として農地側の系統を隔離し、さらに幹線に複数のバルブを設置することで、被害の拡大を防ぎ、将来的な調査や管理をしやすくしました。
▪️ 途中終了の理由:多数箇所の連鎖漏水と広範囲掘削のコスト・負担増。
▪️ 追加調査:住居敷地→農地へ伸びるルート配管の漏水を突き止め。
▪️ 隔離対策:農地側にゲートバルブを新設 → 使用時以外は農地側を止水し、農地側の漏水を遮断。
▪️ 幹線整備:分岐点を中心に複数のゲートバルブを追加し、将来的に区画ごとの止水や探索が可能となり、次回以降の調査や維持管理が格段に行いやすくなりました。
▪️ 家屋内の懸念:家屋内での漏水可能性は高いが、床下はコンクリート基礎で侵入不可のため、現時点では調査不能。
🟩 修理と補強
今回の修理では、ただ漏水を止めるだけでなく、今後の再発や維持管理のしやすさを考慮した補強も行いました。老朽化した配管を局所的に修理するだけでは不十分なため、耐久性を高めるための措置を組み合わせています。
▪️ 漏水箇所の修理に加え、周辺の老朽配管も同時交換。
▪️ 管種をHIVPへ更新、専用継手で補修し耐久性を向上。
▪️ 幹線に複数のゲートバルブを配置し、枝系統ごとの止水・切替・診断を可能に。
🟩 調査の結果と考察
調査の結果、複数の漏水箇所が特定されました。それぞれは微量であっても合算するとポンプが止まらないほどの影響を及ぼしており、老朽化した管網特有の「連鎖的漏水」の症状が確認されました。家屋内の可能性が高い漏水は床下の構造上、調査が行えませんでした。今後は区画ごとに診断・対応できるような管理体制を整えることが重要です。
▪️ 特定漏水:5箇所(埋設4・水栓1)。
▪️ 影響:各漏水は微量でも合算でポンプ常時稼働という大きな損失。
▪️ 症状の連鎖:修理→水圧回復→次の弱点が露呈する老朽網の典型。
▪️ 未解決点:家屋内の可能漏水は床下侵入不可で現時点調査不能。
▪️ 対応方針:区画バルブ整備により「止める・区切る・探す」を運用面で改善。
🟩 総評
今回の調査は、非分譲地という広大な敷地特有の条件に加え、配管経路が不明で、さらに土質が良く漏水が地表に現れないという三重苦の中で進められました。こうした難条件下でも、音聴調査とトレーサーガス調査を状況に応じて使い分けることで、目に見えない漏水を一つずつ確実に特定することができました。
しかし、配管自体はすでに寿命域に達しており、局所修理を行うと次の弱点が現れるという老朽管網の典型的な状態でした。そのため、本件における対応は「被害を最小限に抑えるための戦略」と位置付けられます。
また、農地系統にはバルブを新設し、幹線には複数のバルブを配置することで、今後の調査や運用において区画ごとの切り分けが可能となり、現実的な管理体制を整えることができました。
最終的には、給水・給湯管を全面的に更新する「系統的改修」が長期的な解決策として望ましいと考えられます。
🟩 まとめ
今回の事例では、広大な非分譲地という特殊な条件下で、配管経路が不明かつ漏水が地表に現れないため、調査が非常に難航しました。それでも音聴調査とトレーサーガス調査を併用することで、ガスが無反応となる環境においても音調主導で漏水を特定することが可能でした。
さらに、修理後に水圧を回復させると老朽化した配管に新たな弱点が露呈しやすいことが分かり、調査と修理を繰り返す中で、区画バルブを設けてエリアごとに遮断・確認できる体制を整えることが重要であると確認されました。今後は、段階的に更新と隔離運用を組み合わせることが効果的です。
🟩 さいごに
漏水を放置すると、水道代や下水道料金の増加だけでなく、井戸ポンプをご利用のご家庭では電気代の急増やポンプ寿命の短縮・故障を招く可能性があります。特に非分譲地のように広大で配管が複雑な環境では、区画化(バルブ設置)と段階的修理を組み合わせることが現実的な対応策となります。
当社では、酒々井町を中心に印旛地域(佐倉市・成田市・富里市・八街市・四街道市・印西市・栄町)や千葉市若葉区・芝山町・山武市などを含む千葉県全域、さらに茨城県全域で漏水調査・修理を承っています。トレーサーガス調査や路面音聴調査を組み合わせることで、目に見えない漏水も特定可能です。井戸ポンプ本体だけでなく、圧力タンクや砂こし器といった周辺機器の修理・点検・設置にも対応しています。
「電気代が急に高騰した」「ポンプが止まらず動き続けている」「水道代が高いのに原因が分からない」「音では漏水が確認できない」などのお困りごとがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。地域密着の迅速かつ確実な調査・修理で、安心した暮らしをお手伝いします。
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竣工日
2025年6月
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場所
千葉県千葉市若葉区小倉町
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施工内容
① 漏水調査 ② 漏水修理
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完工時築年数
50年超

