千葉県富里市|井戸配管の微細漏水をトレーサーガスで特定|エコキュートのミキシング不良も同時修理

🟩 千葉県富里市|トレーサーガス調査で特定した井戸配管継手部の微細漏水|エコキュート設備のミキシングバルブ部に水垢付着による出湯温度低下不具合を併発

🟧 要 点
1️⃣ 調査概要
トレーサーガス調査にて、井戸配管バルブソケット継手部からの微細漏水を特定し、修理を実施。
漏水は継手ネジ部の経年劣化と、作業車走行による振動応力の影響が原因でした。
また、井戸水の水質によってエコキュート内部のミキシングバルブ部に水垢が付着し、温度調整不良が発生。
修理とあわせて洗浄・交換を行い、正常な出湯温度を回復しました。

2️⃣ 井戸水+エコキュート環境での主なリスク
◾ 漏水進行:砂質土壌では地表に濡れが出ず、長期間気づきにくい。
◾ 電気代の増加:ポンプの起動回数が増加し、電力量が上昇。
◾ 機器の劣化:水垢・鉄分などがエコキュート内部に付着し、弁作動不良を誘発。
◾ 地盤への影響:砂地のため漏水が地下へ拡散し、沈下や空洞化を招くおそれ。
👉 「ポンプが動く=使っている」ではなく、「動いていない時の動作=異常の兆候」と考えることが大切です。

🟩 現場概要
🟦 基本情報
◾ 千葉県富里市|農家住宅(母屋・離れ・倉庫の三棟構成)|非分譲地|築38年・木造2階建|井戸水使用
◾ 漏水量:1分間あたり200mL未満(推定)
◾ 漏水数:1箇所
◾ 漏水箇所:井戸配管バルブソケット継手ネジ部(微細亀裂)
◾ 調査日数:初動+本調査+修理 3日

🟦 調査環境
◾ 井戸設備:家庭用井戸ポンプ(生活用水)+業務用井戸ポンプ(農地灌漑用)
◾ 給湯設備:エコキュート(貯湯タンク式・ミキシングバルブ内蔵)
◾ 配管構成:2台の井戸ポンプをゲートバルブで相互接続(緊急時の給水切替が可能な構成)
◾ 敷地:宅地と農地が連続する広大な砂質地盤(配管経路不明)
◾ 地盤:水はけの良い砂地で、漏水しても地表の濡れ・ぬかるみは発生せず
◾ 路面:一部コンクリート舗装・その他は砂地および草地(音聴調査に不向き)

🟦 調査の手法と手順
◾ 水素系トレーサーガス調査で特定
◾ 段階加圧:初回0.25MPa → 無反応のため0.30MPaへ引き上げ、さらに0.35MPaで再検知
◾ 調査範囲:宅地と農地の境界部を中心に実施(配管経路不明のため段階的絞り込み)
◾ 補助確認:路面マイク・音聴棒併用でガス音を検出し、ピーク点を確認
◾ 掘削:ガス音ピーク部を人力掘削し、継手部の微細亀裂を確認
◾ 最終確認:修理後に圧力計測を行い、ポンプの異常作動停止を確認

🟦 構 成
1️⃣ 第1章|はじめに
2️⃣ 第2章|ご依頼の背景と現場状況
3️⃣ 第3章|調査方法と結果
4️⃣ 第4章|修理内容と圧力計の挙動
5️⃣ 第5章|調査の考察と再発防止のポイント
6️⃣ 第6章|日常点検とミキシングバルブ交換の目安
7️⃣ 第7章|まとめ
8️⃣ 第8章| 担当者のコメント

🟩 第1章|はじめに――井戸配管継手部の微細漏水と水質由来の機器不具合を特定
本事例は、千葉県富里市の非分譲地に建つ農家住宅で発生した「井戸配管の微細漏水」と「エコキュート設備の温度不良」を、トレーサーガス調査と機器点検の併用によって解決した記録です。

敷地は母屋・離れ・倉庫の三棟で構成され、家庭用井戸ポンプと農地灌漑用の井戸ポンプを併設。
万一の故障時にどちらの井戸からも給水できるよう、両ポンプをバルブで接続した特殊な構成となっていました。

調査の発端は、「水を使っていないのにポンプが頻繁に動く」というご相談でした。
当初は井戸ポンプ本体の故障を疑いましたが、点検の結果、配管経路のバルブソケット継手部に微細な漏水が見つかりました。
加えて、井戸水特有の水質(ミネラル・鉄分・硬度成分)が影響し、エコキュート内部のミキシングバルブ部に水垢が付着。
その結果、温度調整が効かず、出湯温度が低下する不具合が併発していました。

砂質地盤で地表に濡れ跡が出にくく、配管経路も不明瞭という難条件の中、段階的なトレーサーガス調査によって漏水箇所を特定。
あわせてミキシングバルブの清掃・交換を行うことで、温かい湯の出湯不良も解消しました。

🟦 エコキュートと井戸水併用のリスク
井戸水を熱源とする環境では、水質によってエコキュート内部にカルシウムや鉄分が沈着しやすく、ミキシングバルブや給湯弁の動作不良を引き起こすことがあります。
とくに硬度の高い地下水では、短期間でも水垢が蓄積し、湯温が不安定になったり「ぬるい湯しか出ない」といった症状が現れます。

こうした現象は外観では分かりにくいため、「ポンプが動き続ける」「電気代が下がらない」「湯が温まらない」といったわずかな兆候を、早期の点検につなげることが大切です。

🟦 章末まとめ
本事例は、井戸配管の微細漏水と、井戸水の水質によるエコキュート不具合が同時に発生していたケースです。
非分譲地の広大な敷地・砂質地盤・複数ポンプ接続という条件下での調査手順と、機器修理の併行対応を順に解説します。


🟩 第2章|ご依頼の背景と現場状況――農家住宅・広大敷地・複数ポンプ構成の特殊環境
施主様からのご相談は、「井戸ポンプが使っていないのに頻繁に動く」というものでした。
当初はポンプ本体の経年劣化やスイッチの誤作動を疑われており、修理のご依頼としてお電話をいただきました。

しかし現地で点検を行ったところ、ポンプ本体やスイッチ類には異常はなく、圧力の低下に伴って自動起動していることが判明。
この時点で、配管のどこかで漏水が生じている可能性が高いと判断し、漏水調査へと進展しました。

🟦 農家住宅特有の広大な敷地構成
本件は、千葉県富里市の非分譲地に建つ農家住宅で、母屋・離れ・倉庫の三棟が同一敷地内に建っています。
生活用水と農地灌漑用水をそれぞれ別の井戸ポンプでまかなっており、万一どちらかが故障しても給水が止まらないよう、両ポンプをバルブで連結した構成になっていました。

このバルブ連結方式は災害時や停電時に有効な仕組みですが、埋設箇所が深く、地中で長期間使用されるため、継手やソケット部の劣化が進行しても外からは気づきにくいという課題があります。

🟦 敷地と地盤の条件
敷地は宅地と農地が隣接しており、外水栓柱4箇所・屋外流し台3箇所を含む広範な給水網が構築されています。配管経路は複雑で、過去の増設や改修によって図面が残っていない状態でした。

地盤は透水性の高い砂質土壌で、水が漏れても地表まで上がる前に地中に吸収されてしまいます。そのため、漏水が進行していても地面の湿りやぬかるみが生じず、外観からの判断は極めて困難でした。

🟦 初期症状と異常の兆候
井戸ポンプは通常、蛇口を開いたときだけ作動しますが、施主様宅では無使用時にも断続的な起動が確認されました。夜間や早朝といった生活時間外でもポンプが動くため、異常運転の継続により電気代が上昇。当初は電気料金の増加を「農地散水の長時間化」と考えられていましたが、散水を停止しても電気代が下がらなかったことで、漏水の可能性が強く疑われました。

施主様ご自身でも屋内外の蛇口・配管を点検されましたが、濡れた箇所や水音などの兆候は見つからず、広い敷地ゆえに範囲を特定することができませんでした。
その後、当社のホームページをご覧になり、非破壊でのトレーサーガス調査をご希望いただきました。

🟦 章末まとめ
本件は、広大な敷地と複数の井戸ポンプが連結された特殊構成のもとで発生した“無音漏水”でした。外観上は乾いたまま、ポンプの作動と電気代の増加だけが異常を示すサインとなっていました。
次章では、経路不明の配管に対してどのように初動調査を行い、段階的に漏水箇所を特定していったかを解説します。


🟩 第3章|調査方法と結果――経路不明・砂質地盤での段階加圧とガス音検出による特定
現地状況を踏まえ、まずは音聴・目視・圧力観測といった基本的な確認から調査を開始しました。しかし、砂質土壌と広い敷地という条件下では、外観や音の反応だけでは判断がつかず、段階的なトレーサーガス調査によって範囲を絞り込む方法を採用しました。

配管経路が不明なため、初動段階では「どこに水が動いているか」を明らかにすることが最優先。屋外の外水栓・流し台・ポンプバルブなどを順に開閉し、圧力挙動と通水方向を確認しました。

この過程で、ポンプ停止後も圧力がゆっくり低下し一定値で止まるという“非排出型圧損”の挙動が確認され、内部にごく微細な漏れが存在することが裏付けられました。

🟦 初動調査の実施と情報収集
初動調査では、敷地の四隅に設けられた外水栓柱、母屋・離れ・倉庫間を結ぶ配管ルートを音聴棒と路面マイクで広範囲に確認しました。

しかし、地中配管の埋設深さが約60cmと深く、加えて周辺環境音(車両・風・農作業音)の影響により、明瞭な漏水音は得られませんでした。地表に濡れや滲みも見られず、音聴調査のみでは特定が困難と判断。

そこで、ポンプの起動状況と圧力変動を観測しながら、ヒアリングによって過去の改修・増設箇所を確認し、事前に経路の仮定図を作成しました。

🟦 トレーサーガス調査の導入と段階加圧
本調査では、水素系トレーサーガスを使用。初回は0.25MPaで注入しましたが、地表反応は得られず。砂質地盤は透水性が高いため、ガスが縦だけでなく横方向にも拡散し、濃度が薄まる傾向があります。

そこで注入圧を0.30MPa、さらに0.35MPaへ段階的に引き上げ、配管内の気密状態を維持しながら再調査を実施しました。

調査は午前9時から午後3時までの長時間にわたり、宅地と農地の境界部を中心に計測を継続。当初は反応が広範囲に拡散していましたが、午後2時過ぎ、境界近くの草地でガス濃度が局所的に上昇するポイントを検知しました。

🟦 音聴棒による地中ガス音の検出
地表反応だけでは範囲が広すぎるため、ガス濃度が最も高かった範囲を中心に、音聴棒を用いた地中検音を実施しました。

地中に差し込んだ音聴棒で“シュー”という微細なガス流出音を捉え、複数箇所で音の強弱を比較。その結果、境界付近の一点で最も高音域のガス音を確認し、この地点を中心に人力掘削を行いました。

🟦 漏水箇所の特定と確認
掘削により露出した配管は、農地と宅地を結ぶバルブソケット継手部で、ネジ山の根元に沿うように線状の微細な亀裂が確認されました。亀裂からは水が細く滲み出し、地中へ吸収されており、地表に変化が現れなかった理由がここで明らかになりました。

施主様へのヒアリングで、
「このバルブはもともとバルブボックスに収納されていたが、壊れて埋まってしまっていた」
との証言を得て、長年地中に埋もれたまま車両振動を受け続けたことが、継手亀裂の主因であると判断しました。

🟦 章末まとめ
配管経路が不明な状態でも、段階的な圧力調整とガス音検出を組み合わせることで、目視や音聴では見つからなかった微細漏水を的確に特定することができました。
次章では、特定した継手部の修理手順と、再発防止を考慮した構造改善の内容を紹介します。

🟩 第4章|修理内容と圧力計の挙動――継手部再接続とゲートバルブ再構築による再発防止
特定された漏水箇所は、農地と宅地の境界部に埋設されたバルブソケット継手のネジ部でし亀裂は目視で確認できるほど細く、滲み出した水が地中で拡散し、長期間にわたり徐々に圧力低下を引き起こしていたと考えられます。

修理では、単純な継手交換にとどめず、同様の再発を防ぐために構造を一部変更しました。作業車の通行ルート直下という悪条件もあり、将来的な振動や荷重に対しても安全な施工を意識して行いました。

🟦 継手部の修理手順
1️⃣ 掘削範囲を漏水部から周囲50cm以上確保し、残留水を吸引除去。
2️⃣ 既設のゲートバルブおよびソケット部を慎重に撤去。
3️⃣ 新設材には耐震型のバルブソケットを採用し、接合部には高耐圧型シール剤を併用。
4️⃣ 管の再埋設位置を、車両通過時の荷重が直接かからない位置まで横引き移設。
5️⃣ 掘削後、埋戻し前に気密確認試験を実施し、圧力保持を確認。

この結果、圧力計上での微細な下降が完全に解消され、井戸ポンプの起動回数も正常値に戻りました。

🟦 ゲートバルブの再構築と維持性向上
再発防止のため、ゲートバルブは量水器ボックス内に新設。今後はボックスを開けるだけで容易に点検・交換できるようにしました。

加えて、埋設位置の明確化と保守性の向上を目的として、ボックス内部にラベルを設置し、接続ルートを図示。将来的に配管図が失われても現地で確認できるように工夫しました。
この構造変更により、仮に将来別の漏水が発生した場合でも、点検箇所を限定でき、調査・修理コストの削減につながります。

🟦 圧力計による挙動確認
修理完了後は、井戸ポンプと圧力タンクを接続した状態で圧力挙動を観測しました。
ポンプ停止後の圧力計針は安定し、再起動までの保持時間も正常範囲内を維持。

なお、取り外した旧圧力タンクを点検したところ、内部のゴム膜がやや硬化しており、水が少量侵入していた痕跡が認められました。これは漏水による頻繁な加圧運転が続いたことで、膜の弾性が失われ始めていたものと推察されます。

施主様と協議のうえ、圧力タンクを新品に交換。これにより、井戸ポンプの起動周期が安定し、圧力変動も完全に解消しました。

🟦 章末まとめ
今回の修理では、漏水箇所を確実に止めるだけでなく、配管ルートと構造を見直すことで再発リスクを根本から低減しました。
点検容易性を高めたゲートバルブ構成、圧力タンクの更新、そして現地での圧力挙動の安定確認により、長期的な安心運用が可能となりました。


🟩 第5章|調査の考察と再発防止のポイント――地盤条件と配管構造・井戸水環境による影響
今回の漏水は、広い敷地内で長期間にわたり進行していた“無音漏水”でした。
音聴・目視の両方で異常を捉えにくく、最終的に段階加圧によるトレーサーガス調査で
ガス音と濃度反応をもとに特定へと至りました。

井戸配管特有の要素として、金属継手の長期使用、地中環境による電食、そして地盤振動の影響が複合的に関与していたことが、調査全体の結果から明らかになりました。

🟦 漏水発生の要因と特徴
今回の漏水箇所は、バルブソケット継手のねじ根元に発生した線状亀裂でした。
水圧そのものは高くありませんでしたが、ポンプの自動起動による断続的な圧力変動が加わることで、金属疲労が進行していたと考えられます。

また、富里市一帯の砂質土壌は透水性が高く、漏れ出た水分は地中にすぐ吸収されてしまうため、地表が乾いたままでも進行が続くという特徴があります。このような環境では、水たまりや滲み跡といった“見える異常”がほぼ現れません。そのため、ポンプの作動変化や圧力挙動が、唯一の判断材料となります。

🟦 井戸水環境と金属腐食の関係
井戸配管で使用される金属継手やソケットは、水質や地下電位差の影響を受けて電食が進みやすい傾向があります。
特に鉄・銅・真鍮といった異種金属が混在している場合、長期的には局部的な腐食(ピンホール・亀裂)が発生しやすくなります。

本件では、継手部分に軽度の緑青(ろくしょう)が確認されており、井戸水中の微量な電解質成分(カルシウム・マグネシウムなど)が電食を促進した可能性もあります。
また、配管の一部が電線管と近接して埋設されており、微弱な誘導電流による金属疲労の影響も否定できませんでした。

🟦 地盤と構造がもたらす検知困難性
砂質地盤は音波が吸収されやすく、音聴調査機器での反応が弱く出ます。
また、地表に芝生や砂利が敷かれていると擦過音が混入し、微細な漏水音がさらに埋もれてしまいます。

このため、音聴調査単独では限界があり、トレーサーガス調査のように“圧力と濃度”で変化を読み取る工程が不可欠です。
今回のように経路不明・地盤吸音型の現場では、段階的な圧力制御と時間をかけた濃度追跡が最も確実な手法といえます。

🟦 再発防止のポイント
▪️ 金属継手の材質統一:異種金属の接触を避け、
 ステンレスまたは樹脂ソケットへの更新を検討する。

▪️ 電食対策:電線管・アース棒など導電物との接触を避け、
 必要に応じて絶縁スリーブを使用。

▪️ 地盤条件に応じた埋設深度:車両振動や地表荷重を受ける箇所は、
 地表から50cm以上の深度を確保。

▪️ 定期的な圧力観測:井戸ポンプ停止後の圧力計針が
 ゆっくり下がる場合は、漏水または気密低下を疑う。

これらの対策を組み合わせることで、再発を抑えながら設備寿命を大幅に延ばすことができます。

🟦 章末まとめ
今回の事例は、地盤条件・構造・材質の三要素が重なって“見えない漏水”を生んだ典型例でした。調査では、段階加圧によるトレーサーガス検知と地中音確認の併用が有効であることが実証され、再発防止策としての構造改善も実施できました。

次章では、実際に行った日常点検と機器部品の交換目安について紹介します。


🟩 第6章|日常点検とミキシングバルブ交換の目安――井戸ポンプ環境での早期発見ポイント
井戸ポンプを利用する給水環境では、水道のような検針機能がなく、「見えない漏れ」に気づきにくいという特徴があります。
しかし、ポンプの起動間隔や圧力計の針の動き、あるいは出湯温度の変化など、わずかな兆候を読み取ることで、早い段階で異常を察知することができます。

ここでは、日常的に確認しておきたい基本点検のポイントと、併発しやすいミキシングバルブ不良の交換目安について解説します。

🟦 日常点検のポイント(井戸ポンプ使用環境)
▪️ 圧力計の動き:
ポンプ停止後に針が少しずつ下がる、または停止直後に再上昇する場合、漏水や圧力タンク内の空気層減少が疑われます。

▪️ ポンプの作動頻度:
蛇口を使っていないのに数分おきにポンプが動く場合は、配管内の気密抜けまたは微細漏水の可能性があります。

▪️ 出湯温度と量:
浴室や台所で湯温が安定しない、または設定温度よりぬるいと感じた場合、ミキシングバルブの内部劣化やサーモ機構の固着を疑います。

▪️ 機器周囲の点検:
ポンプ室やエコキュート基礎まわりの湿り、保温材の変色、電源部の結露なども異常のサインとなります。

こうした兆候がある場合、早めに現地調査を行うことで、修繕範囲を小さく抑えることが可能です。

🟦 ミキシングバルブの交換目安
ミキシングバルブは、内部に金属スプリングとパッキンを備えた消耗部品です。
使用年数が8〜10年を超えると、温度調整機構の動きが鈍くなり、「設定温度よりぬるい」「出始めが冷たい」などの症状が出始めます。

今回の現場でも、井戸配管バルブソケット継手の微細漏水と同時期にミキシングバルブの不調が確認されました。後日、新品への交換を実施した結果、浴室・台所・洗面いずれの出湯温度も安定し、使用感が大きく改善しました。

エコキュートや井戸ポンプのように長期連続使用となる設備では、漏水修理後の機器内部にも負荷が残るため、バルブ・パッキン類の交換を併せて行うことで、設備全体の寿命を延ばすことができます。

🟦 早期発見と点検習慣の重要性
井戸ポンプ環境では、「地表が乾いている=漏れていない」とは限りません。水が地下で吸収・拡散していても、圧力変動やポンプ挙動には必ず兆候が現れます。

・ポンプの起動周期
・圧力計の保持時間
・湯温の変化
これらを定期的に観察しておくことで、被害拡大を防ぐ最も効果的な“早期発見”が可能となります。

🟦 章末まとめ
井戸配管やエコキュートを併用する環境では、「水道メーターがない分、観察眼がすべて」といえます。ポンプ・圧力計・出湯温度という三つのサインを意識しておくことで、漏水や機器不良を早期に発見し、最小コストで確実に復旧することができます。


🟩 第7章|まとめ(総評)――複合要因下での“無音漏水”を正確に特定し再発を防いだ事例
本事例は、井戸ポンプとエコキュートを併用する環境で、「無音・無跡」のまま進行していた漏水をトレーサーガス調査により特定したケースです。
さらに、並行して発生していたミキシングバルブの動作不良も確認・修理を行い、給湯設備全体を正常化しました。

音や濡れ跡といった視覚的兆候が一切現れない環境では、従来の音聴調査のみでは原因の特定が困難です。本件のように、地盤が砂質で透水性が高い場合、水は地中に吸収されて広範囲に拡散するため、「濡れていない=漏れていない」と誤認しやすい傾向があります。

しかし、段階的な圧力制御によるトレーサーガス注入と、反応濃度の継続観測を組み合わせることで、ガス反応が薄い現場でも精度の高い特定が可能であることが実証されました。

🟦 修理と再構築の成果
漏水箇所のバルブソケット継手は、構造的な弱点を残さないように再設計し、車両荷重の影響を受けない位置まで横引き移設しました。さらに、点検容易性を高めるためにゲートバルブを量水器ボックス内に収納し、今後は容易に交換・点検できる構造としました。

圧力タンクについても、ゴム膜の硬化を確認後に新調。これにより、圧力計の針の安定とポンプ起動回数の正常化を確認しました。修理後の試験では圧力保持が安定し、漏水・再起動ともに解消しています。

🟦 ミキシングバルブの不良と井戸水環境の関係
井戸水は水道水と異なり、水質中のカルシウムや鉄分などの成分が多く、これがエコキュートのミキシングバルブ内部に付着することで、温度調整機構の固着や動作不良を引き起こすことがあります。

本件では、漏水修理後に出湯温度が上がらない不具合が確認され、内部を点検したところ水垢の付着が原因でした。バルブを新品に交換後は、シャワー・台所・洗面いずれの湯温も安定し、設備全体の動作が正常化しました。

🟦 今回の事例が示すポイント
・砂質地盤では水が地表に現れにくく、音聴だけでは特定困難
・井戸配管では金属電食や振動応力が微細漏水を招きやすい
・トレーサーガス調査の段階加圧は、こうした条件下でも有効
・修理後の圧力挙動観測により、再発防止の裏付けを得られる
・井戸水使用のエコキュートでは、水質由来の部品劣化にも留意が必要

🟦 章末まとめ
本件は、複合要因(地盤条件・構造疲労・水質影響)が重なった難易度の高い漏水でした。トレーサーガス調査によって短時間で正確に特定し、機器・配管の両面からの修理で長期安定化を実現できた事例です。

井戸配管環境では、音や水跡が出ないことを前提に、圧力・温度・機器動作の小さな変化を見逃さない観察が重要です。
こうした積み重ねが、将来の高額修繕を防ぐ第一歩となります。

🟩 第8章|担当者のコメント
今回のように、井戸水とエコキュートを併用している環境では、漏水の進行が外から分かりにくいことがあります。
特に砂質地盤では水が地表に出ず、濡れ跡や音の反応が得られない“無音漏水”のまま進行するケースが少なくありません。

また、井戸水にはカルシウムや鉄分などの成分が多く含まれるため、エコキュート内部のミキシングバルブに水垢が付着し、湯温が安定しなくなることもあります。
このような現象は、漏水と機器不良が別々に起きているように見えても、実際には“同じ系統内で連鎖している”ことが多いのが特徴です。

当社では、単なる漏水調査にとどまらず、設備全体の動作や圧力変化をあわせて確認し、原因を総合的に判断するよう心がけています。今回も、井戸ポンプ・配管・圧力タンク・エコキュートといった複数の要素を一つずつ整理しながら、再発防止まで含めた修理を行いました。

もし、井戸ポンプの動作が不安定だったり、エコキュートの湯温が下がるなどの変化を感じた際は、早めの点検をお勧めします。症状の軽いうちであれば、修繕範囲を最小限に抑え、生活への影響も少なく解決することができます。

🟪 ご案内
井戸配管・エコキュート併用環境では、漏水や温度調整不良が目に見えないまま進行することがあります。音がしない、地表が乾いている、湯温が安定しない――これらは一見正常に見えても、内部では水圧低下や機器不良が起きていることがあります。
早期に調査を行えば、修繕範囲を抑え、費用や生活影響を最小限にとどめることができます。
当社は、富里市をはじめ、印西市・白井市・成田市・佐倉市・八街市・四街道市・栄町などの印旛地域を中心に、千葉市若葉区・山武市・芝山町など、千葉県全域および茨城県南部でも調査・修理に対応しております。

🟪 写真掲載について
本記事は、お客様のプライバシー保護および現場特定の防止を目的として、施工中・修理後の写真を一部または非掲載としています。掲載している場合は、周囲が特定できない範囲に限定しています。
周囲の建物や車両、門扉などから住所や個人が特定されるおそれがある場合は、写真を公開せず、文章による説明のみを掲載しています。

  • 竣工日

    2025年6月

  • 場所

    千葉県富里市

  • 施工内容

    ①漏水調査工 ②漏水修理工

  • 構造

    木造2階建て住宅

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