井戸ポンプについて
各種ポンプ共に単相100Vの家庭用ポンプでは、出力「400W」クラスが一般的で、最大出力は「600W」となります。また三相200Vのポンプには出力「600」W以上のポンプがあり、出力に比例して多くの水を汲み上げることが出来ます。汲み上げることの出来る水の深さは、ポンプ毎に定められ、一定ではありあせん。
また井戸ポンプは、「深井戸用」と「浅井戸用」に大分されます。
(1)水の中にモーターを設けて水を汲み上げるのが「深井戸用水中ポンプ」です。
特徴
①深い位置にある水を汲み上げることができ、静音です。
②「ジェットポンプ」や「浅井戸ポンプ」より高い圧力の下で多くの水量を得ることができ、静音です。
(2)地上に設けたモーターと水の中に設けたジェット部を組み合わせて水を汲み上げるのが「深井戸用ジェットポンプ」です。
特徴
①ぎりぎり浅井戸ポンプで水を汲み上げることが出来ない場合、運転水位が20m以内の場合に適したポンプです。そのため、深い位置の水を汲み上げることには適しません。
※運転水位が20mを超える井戸の場合は、水中ポンプが適します。
②水中ポンプより価格が安い。
③条件によっては水中ポンプに近い圧力の下で多くの水量を得られます。
(3)地上に設けたモーターのみを使用して水を汲み上げるのが「浅井戸用ポンプ」です。
特徴
①浅い位置にある水を汲み上げる場合に適したポンプです。
②水中ポンプやジェットポンプより価格が安い。
③条件によっては、高いの圧力の下で多くの水量を得られます。
水を汲み上げる能力(水量や水圧)は、一般に「浅井戸ポンプ < ジェットポンプ < 水中ポンプ」の順になります。その能力はポンプの出力以外に「水を汲み上げている時の井戸水位」などの井戸状況により変わります。
その水位が浅い場合は、ポンプの出力と能力が低いポンプであっても、多くの水量や水圧を確保することが出来ます。
井戸ポンプの価格は、水を汲み上げる能力と同様に「浅井戸ポンプ < ジェットポンプ < 水中ポンプ」の順になります。
深井戸用水中ポンプは浅型と深型に分かれるため、ポンプの出力以外に井戸の「自然水位」と「運転水位」を考慮して選定する必要があります。
水位が浅い井戸に深型の水中ポンプを設けた場合は(インバーター型を除き)、必要以上な圧力が地上部ユニットに掛かってしまうため、減圧弁を介しての接続が必要となります。
減圧弁を設けない場合は、①ポンプの起動や停止を制御している地上部ユニットの各制御部品が故障したり、②ポンプが停止が出来なくなり制御基板が焼き付いたり、③一定給水を保てなくなります。
反対に水位が深い井戸に浅型の水中ポンプを設けた場合は、ポンプの揚水能力が低下した頃に自動停止機能が働かなくなり、動いたままの状態になることがあります。
その結果、制御基板の焼き付き故障が生じたり、井戸ポンプ自体が故障したり、井戸ポンプの寿命が縮むことに繋がったりします。そのため、井戸の状況に合わせたポンプを選定することがとても大事です。
まとめ
井戸ポンプには、電源(単相100Vや三相200V)や出力(400Wや600Wなど)以外に浅型、深型、超深型のタイプがあります。井戸の水位が浅い所に深型の井戸ポンプを取り付けた場合には、減圧弁を介しての据え付けが必要である様に単に据え付ければ良いというものではありません。据え付ける井戸の深さ、自然水位の深さ、運転水位の深さを考慮しての機種や揚水管の選定がとても大切です。